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授業の内容(Course Description) |
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現在の日本は、世界第二の経済大国とはいえ、決して独立国の体をなしていない。特に米国に安全保障を委ねている現状では日本の経済も米国に同調せざるを得ず、独自の政策も取れない状況である。今後の日本を見極めてゆく意味でも、1853年のペリー来航より、不平等条約締結、その改正、アジアを巡る覇権争いであった太平洋戦争、敗戦によるGHQの占領政策、その後の日米安保体制下での日本の経済成長、日米摩擦等の近代史を日米関係を中心にして学び、現在の世界の中の日本の状況を把握し、そして後期の国際政治経済IIで学ぶ実社会で起きている事象を理解するための基礎知識を学んでもらう。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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近代史を学び世界の中での日本の現在置かれている立場を理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末論文試験の成績を50点、中間で1回の小論文を書いてもらう予定で、これが20点、これに出席点30点を加え、60点以上を合格とします。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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講義はパワーポイントにて行い、講義の都度、講義内容のレジメ(パワーポイントのコピー)を配布する予定です。講義内容の詳細は帝京大学八王子キャンパスのHPで公開します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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皆様は、ほとんどが日本国内の教育、日本のメディアによる一方的な見方しか出来ていないと思います。私の海外生活で得た知識を少しでも伝え、世界の中の日本の立場を認識していただき、将来の良き市民として、正しい判断が出来るための手助けが出来れば良いと考えています。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション:自己紹介、授業の内容、到達目標、進め方、成績評価等の説明。 【第2回】 日本の近代の歩みと世界との係わり① 江戸幕府の鎖国政策変更から、諸外国への開港、和親条約からこの不平等条約改正(1899年)までの日本の黎明期ではあるが、日本の半植民地状況を学ぶ。 【第3回】 日本の近代の歩みと世界との係わり② 日露戦争から第二次世界大戦勃発までの激動期について学ぶ。 【第4回】 日本の近代の歩みと世界との係わり③ 第二次世界大戦の経緯と敗戦 【第5回】 日本の近代の歩みと世界との係わり④ GHQの占領体制、東京裁判、新憲法制定について、ヘレン・ミアーズの著書「アメリカの鏡・日本」を中心に考察する。 【第6回】 戦後の日米関係① 1951年のサンフランシスコ条約により、日本は主権を回復したが、日米安保体制の元、半独立国状態で、国の復興を最優先させた経緯を学ぶ。 【第7回】 戦後の日米関係② 1971年、ニクソン大統領による米中国交回復に伴い、日中正常化が始まり、対中政策を日米ともに180度転換した経緯等を学ぶ。 【第8回】 小論文 【第9回】 日米貿易戦争(1977年~1990年) 繊維問題から乗用車輸出規制措置等の貿易戦争について学ぶ。 【第10回】 日本経済の後退 日本経済のバブルの崩壊、ITによる情報革命での日本の対応の遅れによる国力の衰退が起き、世界の中の日本のプレゼンスの低下について学ぶ。 【第11回】 戦後の米中関係 戦後の米国と中国の関係をハイライトし、世界を動かす二大大国の今後の動きを考える。 【第12回】 現在の日本を取り巻く米、中、露関係 ソ連の崩壊により、ソ連の脅威はなくなった様に見えるが、ロシアの台頭によって脅威が復活、クリントン政権以降の米国の対中国重視の中、日本がどう生き抜くかについて考察する。 【第13回】 日米安保体制の再定義 第二次世界大戦後の日本の復興の為の日米同盟から、すでに経済大国に成長した日本が未だ安全保障を米国に委ねている現状を見、日米安保が再定義されている現状を考え、今後日本の進む道について考えてゆく。 【第14回】 世界情勢/世界の軍事バランス 日本の世界の中での位置づけを再確認する。 【第15回】 まとめと論文試験 前期で学んできたテーマから課題を出します。
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