Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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道徳の指導法 佐藤 高樹
教職  2単位
【短大教職】 10-1-1330-1849-19A

1. 授業の内容(Course Description)
 日本人の「モラルの低下」が叫ばれるのに呼応して、学校や家庭・地域における「規範」の強化が強く求められてきた。しかし問題が重視される一方で、学校での道徳教育が事態の改善に寄与したという声はあまり聞かれない。学校での道徳教育はどのような困難を抱えているのか。
 本授業では、「道徳とは何か」「道徳は教えられるのか」といった根本問題や道徳教育の歴史的変遷の考察、そして「道徳」授業実践例の検討を行いながら、道徳教育の基本的課題を吟味し、学校での指導法について考えていく。
 (※本授業は、教育職員免許法施行規則に定める「教職に関する科目」-「教育課程及び指導法に関する科目」である。)
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ・道徳教育の基礎理論や歴史的考察等の研究蓄積をもとに、道徳教育の問題構造を捉える眼を養う。
 ・学校における道徳教育の特質を理解する。
 ・「道徳の時間」の指導案を作成する実践的力量を身につける。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ・授業への参加(コメント・ペーパーの提出状況など) 40%
 ・課題レポート(「学習指導案」の作成)、試験    60%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『中学校学習指導要領解説 道徳編』
 授業において適宜指示する。
 その他、授業時にプリントを配付するので、各自ファイルに綴じておくこと。
 〈参考書〉吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫、1982年。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ①毎回、授業終了時にコメント・ペーパーを提出してもらい、次の授業の際に紹介したい。
  率直な意見、積極的な授業参加を期待する。
 ②「学習指導案」の作成には、いろいろな文献を読み、先行事例に書き方を学ぶ必要がある。
  積極的に図書館を活用し、参考文献にあたること。
 ③道徳の教材となりうる読み物資料や社会問題に関する記事などを日頃からチェックするクセをつけておくこと。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション
 ―授業の進め方について―
【第2回】
 道徳教育をめぐる現状と課題
【第3回】
 道徳教育の根本問題(1)
 ―道徳は教えられるのか―
【第4回】
 道徳教育の根本問題(2)
 ―徳目主義・心情主義をめぐって―
【第5回】
 近代日本の道徳教育
 ―明治・大正・昭和戦前期―
【第6回】
 戦後日本の道徳教育
 ―「道徳の時間」特設へ―
【第7回】
 教育課程(カリキュラム)と道徳教育
【第8回】
 道徳教育の指導計画
【第9回】
 道徳の授業論・教材論
【第10回】
 学習指導案の作成について 
【第11回】
 「道徳の時間」の指導(1)
 ―授業設計をめぐって―
【第12回】
 「道徳の時間」の指導(2)
 ―主題、教材を考える―
【第13回】
 「道徳の時間」の指導(3)
 ―授業展開を考える―
【第14回】
 学習指導案の推敲・発表
【第15回】
 まとめ