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授業目標 |
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パラシュートの性能が流体力学的に決まることを理解し、火星で用いるものを地球上で性能試験するためにレイノルズ数が重要な役割を果たすことを理解しましょう。実際にパラシュートを作成する前に、設計図をしっかり描くことが重要であることを理解しましょう。15回の実習で基本計画から設計製作、性能試験、結果の評価と設計へのフィードバックまでの一連のプロセスを行えるよう計画し、日程の管理に努めてください。
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2. |
授業概要 |
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火星探査機を火星上に軟着陸させるパラシュートの概念設計を行い、これを地上でシミュレーションするためのモデルパラシュートを設計製作し、実際に降下試験を行って性能評価を行ないます。 実習はグループ編成で行ないますが、計画書や図面、試験結果のレポートは個人単位で提出します。しかし設計製作するパラシュートはグループごとに1つとしますので、グループ内でのディスカッションが意見統一するために特に重要です。
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3. |
準備学習 |
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設計力を持つことは物作りのために極めて重要です。構想を練るのも紙にフリーハンドで図を書き出して、何度も修正し練り上げていく経験が必要です。構想がかたまったら、設計図を描いてみましょう。思わぬことで部品が組みあがらなかったなど、実現性の確認が得られていきます。日ごろから図を描く癖をつけること。始めからCADに頼るのも考え物です。あなたの発想のスピードに着いていける道具であれば、紙と鉛筆でも力を持っています。実践の授業ですから、頭だけを動かすのではなく現実のものを詳細に反映する機能をもつ設計図に絶えずチャレンジしましょう。
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4. |
授業計画 |
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【第1回】:Step 1火星探査機を火星上に軟着陸させるプロジェクトの問題設定 【第2回】: 軟着陸シミュレーションの実施、抵抗係数および基本寸法の決定 【第3回】:Step 2 基本設計(パラシュートの基本図の作成と提出) 【第4回】:Step 3 詳細設計(地上試験用パラシュートの図面作成風) 【第5回】: 同上 【第6回】: 同上 (扇型シートの裁断図) 【第7回】: パラシュートの製作 【第8回】: 同上 【第9回】: 同上 【第10回】: 同上 【第11回】: 同上 (重量測定と錘の調整) 【第12回】:Step 4降下試験計画立案(着地速度の計測方法、役割分担決定) 【第13回】:Step 5降下試験(第1回目、降下時の運動把握と着地速度の計測) 【第14回】: 降下試験(第2回目、着地速度の計測) 【第15回】:Step 6設計評価レポートの作成(模擬試験結果の評価と設計の見直し)
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成績評価の方法、基準 |
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開発計画書(シミュレーションの説明、概念設計のスケッチ) 設計図(基本設計図および治具設計図) 製作手順書(製造現場への的確な指示) 地上試験用パラシュート (まとまり具合と性能) 降下試験結果のレポート (性能評価、計画と結果の差異、改良点の説明) ( )内は評価項目
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使用テキスト及び使用教材 |
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実習内容はPower Pointを利用して説明します。 また基本計画やシミュレーションのための資料配布も行ないます。 参考図書;中山泰喜著、改訂版・流体の力学、養賢堂発行
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7. |
その他 |
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(1)第1講目から必ず出席してください。 ← 班編成などを決めるために重要です。また、最後までやり遂げる覚悟で参加してください。 (2)実習の全体説明と問題設定の講義を第1講で行い、第2講終了時点で班編成結果を発表します。 (3)コンパス、定規、分度器、製図用シャープペンシル、字消し板などを各自用意してください。 (4)15回の授業・実習の各段階で提出する計画書や図面は、締め切り日時を守ること。 (5)短い期間でモデル試験を行うための日程調整と自己管理が必要です。
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