Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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航空宇宙工学実験1(Experiments in Aerospace Engineering 1) 橋本 敬三
3年 前期 専門基礎分野必修 3単位
【航空・前】 11-1-0319

1.
授業目標
講義で学んだ航空宇宙工学に関する内容を、実験およびシミュレーションによって、体験的に学習します。実験内容を正確に報告するために実験レポートに仕上げます。航空技術者としての必要な基本的内容の実験を行い、航空宇宙工学全般にわたっての理解を深めることを目標としています。
2.
授業概要
流体・空気力学分野、原動機・燃焼分野、シミュレーション分野、材料・材料特性分野の4分野から,航空宇宙工学に必要な基礎的な実験手法とその解析方法を学びます。実験レポートの書き方、プレゼンテーションの方法についても個別に指導します。少人数のグループで行う実験は教員と密に議論し、理解を深めることができる非常に貴重な体験になります。自覚を持って、各自がオリジナリティの高い実験レポートに仕上げるよう努力してください。図書館を利用して、実験に関連する文献の調査を行い、講義で教わった理論を実学として理解することも重要です。
3.
準備学習
配布された実験指導書に実験内容が書かれてあります。事前にしっかりと予習しておいてください。さらに、実験テーマごとに参考文献が載っていますから、レポートを書くときに図書館で調べることが大切です。
4.
授業計画
【第1回】全員
 実験ガイダンス 航空宇宙工学実験実施要項および実験についての一般的注意事項
【第2回】~【第9回】班別
 実験テーマ
 1. エッフェル風洞を用いた翼型の空力特性試験(風洞を使った流れの実験と解析をおこなう。)
 2. ジェットエンジンの性能実験 (ジェットエンジンの運転と熱機関の解析をおこなう。)
 3. 先端航空宇宙材料の機能特性実験 (形状記憶合金の示差熱分析と航空宇宙材料の組織観察をおこなう。)
 4. 燃焼工学実験 (予混合火炎を用いた燃焼の実験と解析をおこなう。)
 5. ヘリコプタの計測・飛行制御実験 (タンデム・ロータ・ヘリコプタ等を使った制御実験と解析をおこなう。)
 6. 有限要素法による主翼平面形解析 (汎用プログラムANSYSによる構造解析の体験をおこなう。)
 7. 航空宇宙材料の強度特性試験 (航空宇宙材料の引張試験、シャルピー衝撃曲げ試験、破壊靱性試験、破面観察を行う。)
 8. 航空機の桁構造設計と強度試験(航空機に用いられる構造の設計と強度評価を行う。)
 全員を8班に班分けし,スケジュール表にしたがって2週間かけて1つの実験テーマをおこないます。実験終了後6日以内にレポートを提出します。レポート提出後1週間後に前回の実験テーマについてレポート指導をおこないます。
【第10回,第11回】全員
 9. X線回折実験(X線回折の基礎と実習)
【第12回】~【第14回】班別
 10.特別実験① (機体製作プロジェクト)
 各班で格納庫に展示しているT-2、T-3、ALFLEXを計測し、図面を作成します。次にグループ全員で協力して、実機からさまざまな改良を加え、全長50cm程度の航空機1機を発泡スチロールのブロックから製作します。製作した機体は飛行試験を行うとともに、後期の第2週目にプレゼンテーションを行い、機体を披露します。
【第15回】班別
 レポート指導
5.
成績評価の方法、基準
1~10の実験について、毎週欠かさず出席し、実験およびその解析を行います(平常点)。さらに、すべての実験についてレポートを提出し,各指導教官から合格判定を得ることが必要です(レポート点)。成績は各実験テーマの平常点とレポート点を合計した点数て評価します。前期は前期中に行った5テーマの得点を集計して、その平均点が評価点となります。ただし、5テーマのうち1テーマでも合格点(60点)に達していない場合は、航空宇宙工学実験1の成績が不合格となります。
6.
使用テキスト及び使用教材
航空宇宙工学実験1,2解説書(平成23年度版)を配布します。
関数電卓,定規,コンパス,グラフ用紙は必ず持参してください。その他必要なものについては,各実験テーマの指導教官の指示に従ってください。
7.
その他
遅刻、欠席をしないようにしてください。欠席する場合は、スケジュールを確認し、予定の担当教員に届けを出すことが必要です。