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授業目標 |
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低密度の熱流体は、それを連続体としてではなく、原子・分子の集団として扱わなければ、その現象をより正しく理解できません。原子・分子の集団がどのように熱や流れと関係づけられて、粘性、熱伝導、拡散などの輸送現象として理解されるのかを、気体分子運動論と統計力学の立場から理解することを目標とします。
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2. |
授業概要 |
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気体が原子・分子の集団であるという立場に立って諸現象を考察する希薄気体力学の入門コースで、気体の分子運動、ミクロに見た気体の性質、ボルツマン方程式、統計力学的な取り扱いから構成されます。 講義を中心に進めます。適宜、宿題として演習問題を課し、その解説を行います。
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3. |
準備学習 |
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教科書『原子・分子の流れ』の第1章、第2章、第3章、第6章を、授業の前に読んでおいて下さい。
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4. |
授業計画 |
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【第1回】気体の分子運動 : 原子・分子の集団としての熱流体 【第2回】気体の分子運動 : 気体の圧力と温度 【第3回】気体の分子運動 : 内部エネルギーと比熱 【第4回】気体の分子運動 : 平均自由行程,速度分布関数と平均値 【第5回】気体の分子運動 : 流束 【第6回】ミクロに見た気体の性質 : 分子による輸送 【第7回】ミクロに見た気体の性質 : 粘性 【第8回】ミクロに見た気体の性質 : 熱伝導 【第9回】ミクロに見た気体の性質 : 拡散 【第10回】ボルツマン方程式 : ボルツマン方程式 【第10回】ボルツマン方程式 : 分子の衝突 【第12回】統計力学的な取り扱い : 微視的状態 【第13回】統計力学的な取り扱い : マクスウェルの速度分布 【第14回】統計力学的な取り扱い : 分配関数,エントロピー,圧力,比熱 【第15回】総括、科目修得試験
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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科目修得試験、演習問題の解答の板書発表によって、成績を評価します。 気体が原子・分子の集団であるという立場に立って、希薄気体の諸現象を理解する力を身につけることが科目修得の基準です。
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6. |
使用テキスト及び使用教材 |
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教科書: 日本機械学会編 『原子・分子の流れ』(共立出版) 参考書: 戸田盛和 『分子運動30講』(朝倉書店) 適宜、補足資料を配付します。
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7. |
その他 |
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再試験は行いません。 関数電卓を授業に持参して下さい。
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