Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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博物館学2(Museology 2) 上野 修一
2年 前期 総合基礎科目選択 2単位
【資格・前】 11-1-0769

1.
授業目標
授業では、博物館情報論と博物館経営論二つを講義の主たる内容としています。博物館情報論では、博物館を「情報」という視点から見直し、現代の情報化社会の中で、博物館の有する情報を積極的に活用することができる学芸員の育成を目指します。博物館経営論では、市民との協働や博学連携、さらには指定管理者制度の導入が取り沙汰される今日、市民に開かれた博物館を経営していくためにはどのような点に留意する必要があるのかを、さまざまな視点から分析し理解できるようにします。ここでは、学芸員資格の取得のみならず、将来の博物館のよき理解者の育成を目標にしています。
2.
授業概要
前半の博物館情報論では、博物館に関するさまざまな情報とその種類について幅広く理解することを目指しています。博物館にとって必要な情報にはどのようなものがあるかを分析し、それをどのようにして利用すればよいのかを学習します。具体的には自らが資料調査を行い、それぞれの目的に応じた博物館資料情報カードの作成や記入が可能となるレベルを目指します。
また後半は、「市民に開かれた博物館」の実現を目指すために必要な、博物館経営の基礎を学びます。具体的には、実際に各地の博物館を見学した際、自力で各館の調査・研究・普及活動の評価が可能となるレベルを目指します。
授業は講義形式を中心としながらも、演習や県内の博物館見学を取りいれながら進める予定です。
3.
準備学習
栃木県内の博物館(美術館、水族館、郷土資料館、動物園など含む)または出身地の博物館を見学すること。
新聞等で博物館(美術館、水族館、郷土資料館、動物園など含む)の記事を読んでおくこと。
4.
授業計画
ここでは、授業時間を15回と考えています。
 第1回 博物館と情報  その1
 第2回 博物館と情報  その2
 第3回 博物館活動の情報化 その1
 第4回 博物館活動の情報化 その2
 第5回 写真撮影の技術 その1
 第6回 写真撮影の技術 その2
 第7回 博物館における情報提供の実際 
 第8回 博物館経営とは何か
 第9回 博物館の行財政・博物館の組織と人材
 第10回 博物館と危機管理
 第11回 利用者サービス その1
 第12回 指定管理者制度と博物館
 第13回 博物館の評価 その1
 第14回 博学連携
 第15回 試験
5.
成績評価の方法、基準
達成度の評価は試験により行ないますが、博物館見学レポートの提出による評価も併せて行ないます。出席率も評価の対象になります。
6.
使用テキスト及び使用教材
特に指定するものは無いが、博物館概論や博物館関連の図書の一読を薦める。
鈴木真理・編「改訂博物館概論」樹村房
関秀夫『博物館の誕生―町田久成と東京帝室博物館』岩波新書
千地万造『博物館の楽しみ方』講談社現代新書
出口 保夫『物語 大英博物館―二五〇年の軌跡 』中公新書
レジュメを主たる教材とします。
7.
その他
博物館学芸員資格必修
1館でも多く、各地の博物館等を見学することを期待しています。