Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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入門統計学 I 大林 千一
選択必修  2単位
【経営】 11-1-1110-0672-06

1. 授業の内容(Course Description)
 統計学は、多くの学問分野で研究活動のために欠かせないだけでなく、企業や国・地方公共団体でも多くの業務に応用されている。それは、統計学がデータの整理・分析やデータに基づく判断のための、有力な手段を提供しているからである。そのため、統計学の考え方を身につけることは、経済学をはじめとする諸科学を学ぶ上でも、また社会において実務に携わる上でも、大いに有用である。
 この講義では、データを分かりやすい形にまとめてデータが表すものを読み取ったり、データから様々な推測を行ったりするための、基本的な方法を学習する。ここで学ぶ方法は、経済の分析を行ったり、社会に出て業務上要求される各種データの分析を行う上で、不可欠のものとなっている。
 経済学や実務においては、政府や民間機関が公表している統計を利用することが多いので、講義を進める際には、実際の統計を用いた例も取り上げていきたい。統計学にとって、数学は重要な土台の一つであるが、データの整理や分析を進める上で大事なのは統計的な考え方である。講義でも、それぞれの方法の考え方、結果の意味や利用上の注意点を説明することに重点を置いて進めていきたい。
 春学期では、データを整理・分析する方法である記述統計について学ぶ。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 データを統計の形で整理し、その結果から平均、分散をはじめとする基本的な統計指標を算出できるようにすること、また、それらの指標の意味を理解し、自分が得た結果や実際に公表されている統計を的確に読み取れるようにすることが目標である。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況(ほぼ毎回配付し提出してもらう確認問題でチェック)が3割程度、試験(中間的小試験と期末の試験)が7割程度として評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストとしては、刈屋武昭・勝浦正樹『統計学 第2版』(東洋経済新報社)を使用する。春学期には、テキストの1章~6章と13章の部分を使う。テキストの例や練習問題を頻繁に使うので、テキストは必ず入手すること。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキストの指定された部分を読んでおくなど、予習を行っておくこと。また、指定された練習問題を解いてくること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 各回の講義内容を着実に理解していかないと次の授業内容が分からなくなるので、欠席しないようにすること。平方根を求めることのできる電卓を、毎回、必ず持参するようにすること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 講義の内容・計画、経済・経営と統計学
【第2回】
 データについての理解(1) フローとストック、クロスセクションデータと時系列データ、名目と実質
【第3回】
 データについての理解(2) 変化率と寄与度、質的データと量的データ、離散的データと連続的データ
【第4回】
 度数分布表とヒストグラム
【第5回】
 ローレンツ曲線とジニ係数
【第6回】
 データの代表値(1) 平均値、メディアン、モード
【第7回】
 データの代表値(2) 分布の形と平均値・メディアン・モード、移動平均
【第8回】
 散らばりの特性値(1) 分散、標準偏差
【第9回】
 散らばりの特性値(2) 変動係数、基準化など
【第10回】
 中間的まとめと補足
【第11回】
 回帰分析の基礎(1) 散布図、共分散、相関係数、質的データにおける連関係数
【第12回】
 回帰分析の基礎(2) 最小2乗法と回帰直線
【第13回】
 回帰分析の基礎(3) 回帰直線と残差、決定係数
【第14回】
 回帰分析の基礎(4) 重回帰分析の考え方
【第15回】
 まとめ