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授業の内容(Course Description) |
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この経済地理学Ⅱでは、都市・産業・空間・地域をキーワードとして、経済活動・経済現象の地理学的な考え方について、一般に見落とされたり誤解されたりしがちな話題を取り上げて、平易に解説する。「授業の計画」を見ればみれば分かるように、身近で分かりやすい話題が中心である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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この講義では、経済学でしばしば見落とされているいくつかの視点や問題点を取り上げることにより、本来の経済学の理解に資することを目指している。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験(授業期間内)による。試験は、春学期の経済地理学Ⅰと同様に、実際の授業への出席に基づく授業内容の理解とそれに対する知的反応を確かめることを目的とする。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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独自の講義資料(教室で配布)により、講義形式で進める。この講義では、既存の文献を鵜呑みにすることよりも、「生」の講義への知的反応を期待するので、あえて一般的な参考文献は紹介しない。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義資料に基づいて、次の講義の展開やポイントを予想するとともに、疑問点を明確にしておく(疑問をもてるというのは重要な知的能力である)。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この講義では、受講者が経済学・地理学の専門知識を持っていないことを前提としている。また、単に知識として覚えるのではなく、「生」の授業に出席して、いささか風変わりかもしれない講義によって知的刺激を楽しみ、これまで知っているつもりだったことや一般的な通念にとらわれずに、視野を広げることが期待される。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 都市と都市圏(1) *都市と「市」は別物である/経済的な統一地域としての「都市圏」 【第2回】 都市と都市圏(2) *都心部・中心部と郊外/夜間人口と昼間人口 【第3回】 日本の三大都市圏と広域中心都市 *六大都市から三大都市圏へ/広域中心都市と政令指定都市とは別物 【第4回】 東京大都市圏と京阪神大都市圏(1) *都心部・中心部・郊外への地帯区分/通勤・住宅・商業の地帯間比較 【第5回】 東京大都市圏と京阪神大都市圏(2) *近世における江戸と京・大坂/「東京一極集中」の本質 【第6回】 日本の人口移動と過疎・過密(1) *人口移動と大都市集中/人口移動転換/逆都市化 【第7回】 日本の人口移動と過疎・過密(2) *過疎とは?/「U・J・Iターン」再考 【第8回】 産業の立地モデル(1) *チューネンの農業土地利用モデル/都市への応用 【第9回】 産業の立地モデル(2) *ウェーバーの工業立地モデル/工業の集積 【第10回】 産業の立地モデル(3) *クリスタラーの中心地モデル/中心地機能と商業・サービス業 【第11回】 日本の経済活動の地域的特徴(1) *農業の地域的変化/工業化の地方分散と空洞化 【第12回】 日本の経済活動の地域的特徴(2) *商業・金融の地域的変化/経済的中枢管理機能 【第13回】 日本の地域経済構造とその変化(1) *県内総生産の比較/地域格差は縮小したか? 【第14回】 日本の地域経済構造とその変化(2) *財政による地域間再分配/安易な「地方自立」論は要注意 【第15回】 総括
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