Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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契約法A 髙橋 由紀子
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-0327-01

1. 授業の内容(Course Description)
 われわれの社会は、商品交換秩序にもとづく資本制経済社会である。ここでは、すべての物(労働力も含む)は商品として交換され、すべての人は商品所有者として商品の流通過程に直接・間接に参加せざるをえない仕組みになっている。そして、商品交換は法的には契約により成立する。
 契約に関する規定は、民法第三編債権編の中の第二章におかれている。この部分が「契約法」と呼ばれ、それがさらに、総則(第1節)と各論(第2節から第14節)に分けられている。前期は、民法総則と債権総則の基本的知識の確認をしつつ、契約の総則として規定されている「契約の成立」、「契約の効力」および「契約の解除」については売買の場合をモデルにして売買契約の中で学ぶ。
 契約法は民法の重要な構成部分であり、選択科目として配置されているが、全員が履修することが望ましい。一つ注意を要するのは、契約に関するルールは「契約法」の規定を学べば足りるのではなく、民法総則、債権総則の中にも関係規定があり、これら規定の体系的理解が必要とされる点である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ・社会において契約が果たす役割の重要性を認識する
 ・契約法の原理・原則を理解する
 ・契約はいかにして成立するのか、双務契約が成立すると契約当事者にはどのような権利義務関係が発生するのか理解する
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業中に行う定期試験で評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:永田真三郎ほか『債権』有斐閣ブックス
 すでに債権総論や不法行為法を履修して、他の債権法のテキストを持っている学生はそのテキストでかまわない
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ・シラバスを参考に、授業の進度に合わせてテキストの該当部分を読んでくる
 ・授業中に配布する復習プリントを利用して自宅学習をする
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ・授業方針を説明する第1回目の授業に必ず出席すること
 ・本科目は内容的には後期の契約法Bと1セットになっている。
 ・授業には必ずテキストと六法を持参すること。
 ・毎回授業にきちんと出席しないと単位取得は困難である。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション、民法の中の契約法、民法総則の復習
【第2回】
 契約自由の原則とその修正、新しい契約類型の出現
【第3回】
 売買契約の成立(1)申込と承諾、予約と手付
【第4回】
 売買契約の成立(2)契約の締結プロセス、契約準備段階における信義則
【第5回】
 売買契約の効力―買主の義務と売主の義務、同時履行の抗弁権
【第6回】
 危険負担
【第7回】
 中間テストと解説
【第8回】
 売主の担保責任(1) 
【第9回】
 売主の担保責任(2)
【第10回】
 契約の解除 法定解除権の発生
【第11回】
 法定解除権の行使 解除の効果
【第12回】
 売買類型ごとの特殊ルール(1)不動産売買 
【第13回】
 売買類型ごとの特殊ルール(2)消費者売買、継続的売買
【第14回】
 交換、贈与
【第15回】
 まとめと期末試験