Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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国際法特講B 則武 輝幸
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-0420-08

1. 授業の内容(Course Description)
 国際法特講B(2003年度までの国際法特講II)では、国際社会の平和と安全の維持に関する国際法について、最新の具体的事例を踏まえて、実証的に講義する。私担当の国際公法Dの講義では、例年時間切れで、国連の集団的安全保障制度や平和維持活動(Peace-keeping Operations PKO)について、まったく扱うことができず、プリントを配布して自学自習に委ねる、ということにしてきた(ただし、2006年度・2009年度は休講)。私の国際公法Dを履修した諸君は、補足のために、学生生活を締めくくるにあたって、是非この科目を履修して頂きたい。もちろん、私の国際公法を履修していない諸君の受講も大いに歓迎する。なお、この科目は2002年度までは4年次配当であったが、2003年度より3・4年次配当、2006年度より3年次配当となったので、3年生でも履修可能である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国際社会の平和と安全の維持に関する国際法について基本的知識の習得を目指す。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験のみで評価する。中間試験やレポートは実施しない。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:特定のテキストは使わないが、国際公法A・B・C・Dのサブテキストで用いた杉原高嶺他著『現代国際法講義[第4版]』の第14章「武力行使の規制」および国際組織法A・Bのテキストで用いた横田洋三編著『新版国際機構論』(国際書院)の第3部第1章「安全保障」とかなり内容が重なるので、これらを持っている場合には、参考にして頂きたい。
 参 考 書:『国際連合の基礎知識』 国際連合広報局編(関西学院大学出版会)
      『国連の平和維持活動』 香西 茂(有斐閣)
      『国連とPKO[第二版]』 福田 菊(東信堂)
      『国際平和協力入門』 神余 隆博 編著(有斐閣)
      『国連と日本』 河辺 一郎(岩波書店)
      『国連新時代―オリーブと牙』 外岡 秀俊(筑摩書房)
      『PKO新時代―国連安保理からの証言―』 川端 清隆・持田 繁(岩波書店)
      『国連による平和と安全の維持―解説と資料』 横田 洋三 編著(国際書院)
      『国連による平和と安全の維持―解説と資料 第2巻』 横田 洋三 編著(国際書院)
      『集団安全保障の本質』 柘山尭司編著(東信堂)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 必ず教科書・プリントで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
 教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
 特定のテキストは使わず随時プリントを配布して講義する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 特定の教科書は使わず、以下の順序で講義する。
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】~【第4回】
 戦争の違法化①~③
  正戦論
【第5回】~【第10回】
 戦争の違法化④~⑨
  無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展
【第11回】
 戦争の違法化⑩
  国際連盟規約
  不戦条約
  国際連合憲章―武力による威嚇または武力行使の禁止
【第12回】
 国際紛争の平和的解決
 (詳しくは、国際紛争処理法A・Bに譲る)
  非司法的解決手続
  司法的解決手続
【第13回】
 国際連合の集団的安全保障制度①
  勢力均衡政策とその破綻
  国際連盟の集団的安全保障制度とその問題点
【第14回】
 国際連合の集団的安全保障制度②
  国連憲章の予定する集団的安全保障制度の特色
  東西冷戦による集団的安全保障制度の機能不全、東西冷戦期の例外的適用事例、東西冷戦後の新展開
【第15回】
 平和維持活動(PKO)
  「戦わぬ軍隊」PKOの登場、基本原則、法的根拠、事例研究、今後の課題
 地域的安全保障制度
 軍縮・軍備管理
 (プリントを配布して、自学自習に委ねる可能性あり)
 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。