Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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民法総則特講 長谷川 成海
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-0425-12

1. 授業の内容(Course Description)
 この授業では、民法概論の授業で学習した内容のうち、「意思表示」を取り上げて、さらに深く追究していく。
 日本の民法には、権利主体である市民の意思を尊重する近代法思想が反映され、意思主義に根ざす規定が多く見られる。個人が契約のような法律関係に拘束されるのは、その法律関係の設定が本人の自由な意思によるからである。したがって、法律関係の基礎である意思形成に問題がある場合や、あるいは何らかの理由で真意と異なる意思が表示された場合には、その意思表示の効果は制限される。この原理が民法上、心裡留保、虚偽表示、錯誤、詐欺・強迫といった規定に具体化されている。
 ここでは、民法概論で学んだ総則の内容を復習し、新しい情報を付け加えながら、民法を体系的に理解できるよう、物権法や契約法、不法行為法といった民法財産法の他の重要分野と関連させながら学習を進めたい。判例や学説の理論も可能な限り取り上げていきたい。
 また、各回の授業の終わりに演習問題をやり、授業の理解を確認していく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 物権法や契約法、不法行為法といった民法財産法の他の重要分野と民法総則に定められる意思表示の原則とを関連させながら学習を進め、民法を体系的に理解するための基礎を構築する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業内試験にて評価(2回実施する予定)。毎回の授業で行う演習問題を基礎に出題する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは指定しない。
 参考文献は、授業において指示する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 WebCTにより授業中に解く演習問題を復習できるようにしていくので、利用してもらいたい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 各種資格試験・公務員試験等では、民法総則分野からかなり多く出題される。しかも多くの問題は、物権や債権と関連づけて出される。実践的関心をもって授業に臨んでもらいたい。
 また、授業にはできる限り出席し、内容を消化できるよう心がけること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション
 民法における「意思」の重要性
【第2回】
 民法の原理:意思、契約自由の原則 
【第3階】
 意思表示の過程、意思主義・表示主義
 虚偽表示
【第4回】
 意思表示の効力発生時期、到達主義・発生主義
【第5回】
 意思表示の瑕疵
 虚偽表示
【第6回】
 虚偽表示の「第三者」
 虚偽表示に関するルールの類推適用
【第7回】
 まとめとテスト
【第8回】
 錯誤
【第9回】
 錯誤の分類 
【第10回】
 動機の錯誤
【第11回】
 第三者による錯誤無効の主張
【第12回】
 詐欺
【第13回】
 詐欺と第三者
 強迫
【第14回】
 まとめ
【第15回】
 まとめとテスト