Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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契約法A 三橋 信行
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-0508-03

1. 授業の内容(Course Description)
 民法は、市民社会における人々の関係を、権利と義務という概念で規律する。かかる民法の概念の中で、人が他人に対して一定の行為を請求する権利を債権と呼ぶ(義務を負担する側からは、債務といわれる)。債権を発生させる原因は、民法上4つあるが、その中で典型的な原因が契約である。契約を理解するということは、民法を理解することとであるといっても過言ではない。
 契約に適用される規律を契約法というと、民法典の中での契約法はどうなっているであろうか。契約法というと民法典の第三編第二章の契約を指すことがある(これは狭義の契約法といわれる)。しかし、民法典の中でも、民法総則の法律行為等とか、債権総論の一部(履行強制、損害賠償、弁済)などが、広義の契約法という観点から含まれることとなる。本講座(契約法Aと後期の契約法B)は、この広義の契約法の中での狭義の契約法の位置づけを理解することを目的とする。契約法Aは、権利移転型契約としての売買契約を主として、契約総則的分野も含めた内容として構成されている。
 尚、契約法Aを履修する学生は、後期の契約法Bも履修されることをすすめるが、後期の契約法Bの履修希望者はこの契約法Aの履修が必須となる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 民法典における契約という概念の意義・内容・効力等を、総合的に把握することを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 15回目の授業で実施する授業内試験(論文式)の結果をもって100%評価する。
 都度の授業の出席を評価の一部とはしないが、授業に出席することが肝要である。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストとして、有斐閣発行の『基本民法 Ⅱ 債権各論』 大村 敦志著を使用する。
 その他参考資料等は、都度指示する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 毎回の授業に際しては、出席をすることもちろんであるが、
 事前に講義範囲をテキストに従い予習すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 本講座は後期の契約法Bと共に契約法の重要部分を構成する。後期の契約法Bも選択されることをすすめる。
 また授業にはできるだけ出席することが重要であることを認識すること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 本講座のイントロダクション(契約法AとBの構成について)
【第2回】
 契約の成立
【第3回】
 契約の効力 その1
【第4回】
 契約の効力 その2
【第5回】
 契約の効力 その3
【第6回】
 契約履行後の担保責任 その1
【第7回】
 契約履行後の担保責任 その2
【第8回】
 契約の解除 その1
【第9回】
 契約の解除 その2
【第10回】
 特殊な売買契約(消費者取引)
【第11回】
 特殊な売買契約(不動産取引)
【第12回】
 特殊な売買契約(担保のための所有権移転)
【第13回】
 売買類似の契約
【第14回】
 契約法Aの総括
【第15回】
 最終授業 授業内試験(論文式)