Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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法学概論B 鞠子 公男
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-0685-10

1. 授業の内容(Course Description)
 法律は管理のための道具ではなく、国民一人ひとりが効率をよく生活するために必要な社会の潤滑油である。人口減少に加えて少子高齢化に直面するわが国が高い経済水準を維持するためには、生産性を高め、経済活動を円滑にしていかなくてはならない。法律の趣旨を正しく理解することは制度を活用するための前提である。
 本講義は、わが国法学界の最高峰の一人である我妻榮先生の名著『民法案内1・私法の道しるべ』をテキストとして、法律の基本原理と仕組みを理解し、その学び方を習得することを目的とするものである。
 法学概論Aでは、法の位置づけ、特に道徳等との相違点、次いで公法と私法及び後から出現した社会法といわれる法分野の基本原理の違いなど主として法律のハード面を学んだが、法学概論Bでは、法解釈の技術及び法適用の形式などソフト面を中心にテキストに沿って講義を進める予定である。
 法律を積極的に活用して、現状を変革しようという志をもつ多くの学生が受講することを期待する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 第一段階として法規範の特徴、特に道徳・しきたりなどとの類似点・相違点を理解することならびに第二段階として公法と私法及び成文法と不文法の関係を体系的に習得すること、が法学概論Aの目標であったが、法学概論Bでは、第三段階として、具体的な事例に即して法律を適用することが目標となる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 第8回又は第9回講義の時間中に中間テスト(小テスト)及び第14回又は第15回講義で期末テストを実施し、その両テストの成績を中心に出席状況を勘案して総合的に判断する。具体的な評価方法は、開講後早い時期に講義で説明する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 我妻 榮著、遠藤 浩・川井 健補 訂『民法案内1 私法の道しるべ』勁草書房
 なお、必要に応じて追加資料を配布する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 講義の進捗に合わせてテキストを精読し、中間及び期末試験に際してはテキストに記載された事例の理解に努めること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 講義中に条文を引用し確認するので、必ず『六法』とテキストを持参すること。『六法』は、テストの際にも「持込み可」とするので、絶対に必要である。
 講義中の入退室と私語は、講義の進行と他の学生の聴講の妨げとなるので、厳に慎むこと。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 法源
【第2回】
 成文法
【第3回】
 慣習法・判例法・条理
【第4回】
 法解釈の技術
【第5回】
 一般的確実性と具体的妥当性の調和
【第6回】
 時に関する法律の効力
【第7回】
 人・場所に関する法律の効力
【第8回】
 法律の効力とはどういうことか?
【第9回】
 強行規定と任意規定
【第10回】
 法律を適用する形式
【第11回】
 裁判と調停
【第12回】
 日本人の法意識
【第13回】
 最近の注目すべき判例
【第14回】
 最近における法律の改廃
【第15回】
 秋学期のまとめ