Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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手形・小切手法B 楢崎 憲安
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-1754-04

1. 授業の内容(Course Description)
 手形・小切手法は、取引の決済手段として振り出され、流通し、支払われている手形・小切手に関する分野を規律する法です。手形や小切手が取引の決済の手段として使用されるという点で、他の法分野よりも実務的色彩が強く、また、手形には高度な流通性があり、取引の安全が特に図られている法分野であるといえます。
 手形・小切手法Bでは、手形・小切手法Aの既習者を対象として、引き続き手形・小切手法について解説し、その全体像を学びます。具体的には、裏書譲渡と特殊な裏書、手形による請求を拒むために主張できる事由(手形抗弁)、手形の支払い(手形交換)、遡求、除権決定・手形訴訟などを取り上げて、検討します。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 手形には高度な流通性があり、取引の安全を確保するために独自の法制度が設けられています。そして、手形理論に結び付けられた精緻な理論が構築されており、これを学んで手形法を習得することを目標とします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験を中心に、授業内の小テスト、授業への出席状況などの平常点を勘案して、総合的に評価します。期末試験のウエイトが60%、小テストが20%、授業への出席状況等が20%。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 講義概要をまとめたプリントを事前に配布し、また、必要に応じて資料を用意することにしています。
 特に教科書は指定しませんが、丸山秀平『事例で学ぶ 手形・小切手法(第2版)』(法学書院)、『手形小切手判例百選 第6版』(別冊ジュリスト173号2004)は有用です。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 配布したプリント・参考書を一読してください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 手形・小切手法は実務的な色彩も強く、条文や概念だけでなく、事例から学ぶことが不可欠です。事例を中心に授業を進めるので、『手形小切手判例百選』を熟読することを薦めます。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション(授業計画・成績評価など)、手形・小切手法とは
【第2回】
 手形法の全体像
【第3回】
 裏書譲渡と特殊な裏書(取立委任裏書、質入裏書、期限後裏書など)
【第4回】
 手形の善意取得
【第5回】
 手形保証
【第6回】
 手形抗弁(物的抗弁と人的抗弁)
【第7回】
 手形抗弁(人的抗弁の制限、悪意の抗弁)
【第8回】
 手形抗弁(融通手形の抗弁、後者の抗弁、二重無権の抗弁)
【第9回】
 手形の支払い(支払呈示、調査義務と善意支払い)
【第10回】
 手形交換と手形の不渡り
【第11回】
 遡求の意義と要件
【第12回】
 消滅時効と利得償還請求権
【第13回】
 手形訴訟、公示催告・除権決定
【第14回】
 一括決済方式と電子記録債権
【第15回】
 まとめと試験