Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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金融商品取引法A 藤原 啓司
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-1868-01

1. 授業の内容(Course Description)
 金融商品取引法は、その前身である「証券取引法」(昭和23年制定)が、投資に関する横断的・包括的な法制を目指して関連の諸法律を統合し、題名も「金融商品取引法」に改められたものである。
 この法律は、証券会社等を監督するための「業法」にとどまらず、株式・社債等を発行する企業、プロ・アマの投資家等にも幅広く及ぶ、いわば「市場の法」ともいうべき側面をもっている。企業の粉飾決算やインサイダー取引、相場操縦など、この法律の違反に係る事件がマスコミを賑わすことも多い。
 講義では、金融商品取引法を構成している主要な制度の成り立ち、基本的考え方を中心に、必要に応じ会社法、民商法、刑法、行政法など関連する法分野にも触れつつ、解説を加えていく。
 法律のボリュームが大きいため、この講義では、有価証券の定義等の総論的部分と有価証券の発行・流通に係るディスクロージャー制度、企業買収等に係る公開買付け(TOB)、株券等の大量保有報告(5%ルール)までを取り扱う。この法律の全体を理解するためには、秋期の「金融商品取引法B」と通して聴講することが望ましい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 法律に規定されている諸制度が、どのような事象を背景に、どのような考え方で成り立っているのか、を理解することを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末の試験を基本とする。これに、出席状況も加味する。
 また、新聞記事や雑誌の論文をもとに、レポートの提出を求める(ごく簡単なもの。数回)等により、受講生自身の努力の成果を評価に反映させることとしている(出席していないと、レポートが課されたことを知らないままに過ぎてしまう等のことがあるので、要注意)。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:黒沼悦郎『金融商品取引法入門』(日経文庫)
 プリント等で補足する。
 なお、参考文献は、授業の中で紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 毎回の授業で、次回の説明項目を予告するので、テキストの該当箇所にひとわたり目を通しておくこと。
 受講後は、出てきた条文をもう一度、手持ちの六法で確かめておくこと。収録されていない条文は、インターネットの「法令データ提供システム」を検索することにより、調べることができる。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日々のニュースや解説記事等に常に関心をもって接すること。
 特にこの分野は、毎年のように法改正等があるなど、書物だけでフォローし切れないところがあるが、授業では最新の状況についても説明していくので、授業には出席すること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 金融商品取引法の概要、目的
【第3回】~【第5回】
 有価証券とデリバティブ取引
【第6回】・【第7回】
 登場する主体(投資家、金融商品取引業者など)
【第8回】~【第11回】
 ディスクロージャー制度
【第12回】~【第14回】
 公開買付け制度(TOB)、大量保有報告制度(5%ルール)
【第15回】
 まとめ、この時点までの法改正の動き等
 《注》進行状況に応じて前後することがある。