Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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教育史A(日本教育史) 佐藤 高樹
選択必修  2単位
【教育】 11-1-1330-1849-03

1. 授業の内容(Course Description)
 学校等での教育経験を通して、我々は誰しもそれぞれ「教育」に関する一定のイメージを作り上げている。しかしながら、「不変・普遍」と考えている我々の教育イメージは、じつは近代以降につくられた特殊な構築物である場合が多い。
 本科目では歴史の視点から、教育を論じようとするにあたって我々が無意識のうちにとらわれている固定観念を相対化し、教育をみる視野を開くことを目的とする。
 近代の学校教育史を中心に、近代以前の「学び」の時代から現代の教育システムが形成されるに至るまでの歴史の流れを、いくつかのトピック(教師、教科書、子どもなど)に着目しながら辿っていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ・現在の教育状況が過去の歴史的な展開の上に成り立っていることを理解し、教育問題の背景について広い時間の流れの中で考えることができる。
 ・各時期における教育の歴史的特質について、自分なりの補助線をひきながら理解、表現することができる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業参加度(コメントペーパーの提出状況等)、課題レポートの提出、および試験の成績から総合的に判断する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 教科書は特に定めない。授業中に配付する資料(プリント)をもとに授業を進める。
 〔参考書〕
 ・山住正己『日本教育小史 ―近・現代―』岩波新書、1987年。
 ・尾崎ムゲン『日本の教育改革 ―産業化社会を育てた一三〇年―』中公新書、1999年。
 ※その他、授業中に適宜指示する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 以下の著作を読んだうえで、授業に臨むこと(いずれも文庫本であり、安価で購入できる)。これらの著作の内容からも、試験問題を出題する。
 夏目漱石『坊っちゃん』/島崎藤村『破戒』/壺井栄『二十四の瞳』/黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 “教育の歴史を学ぶ意味”、“関心がある時代はいつか”など、自分なりの問題意識を持って受講すること(初回の授業で、意識調査を行う)。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業の進め方・課題提出方法について、受講生意識調査
【第2回】
 教育の歴史を(に)学ぶとは
【第3回】
 近世における「学び」と社会
【第4回】
 明治維新と教育 ―近代教育のはじまり―
【第5回】
 近代化の推進と天皇制国家の教育
【第6回】
 教育体制の整備とカリキュラム・教科書制度の転換
【第7回】
 帝国主義と教育
【第8回】
 大正新教育運動の展開
【第9回】
 教員社会と教育運動
【第10回】
 昭和恐慌期の地域と学校
【第11回】
 戦時動員と教育
【第12回】
 戦後教育の出発
【第13回】
 高度経済成長と能力主義
【第14回】
 教育改革の時代
【第15回】
 まとめと評価
(※受講者の関心に応じて、内容を柔軟に変更することがある。)