Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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生徒指導・進路指導論(小) 福島 健介
選択  2単位
【教育】 11-1-1331-1915-06

1. 授業の内容(Course Description)
 通常、「生徒指導」といえば問題行動(学校不適応・非行など)への対応をイメージしがちである。たしかにそうした規制的・治癒的指導も生徒指導の一側面ではある。しかし本来生徒指導とは、子ども達が学校生活を営む上で個性を発揮できる条件を整える・子ども達同士が協力し合える環境を構成するなど、様々な指導・援助全般を指すものである。したがって、実は子ども達の前向きな活動を支援し、人格の育成を目指す活動であることを理解して欲しい。
 また、小学校における進路指導については理解されにくいと思われるが、多様な人生設計が可能な現代において、職業に対する憧れや熟知、キャリアステップの理解などを促すことは小学校教育でも大切なことである。
 この授業では、学校現場に対するイメージを抱けるように数回の事例研究を予定している。事例研究の方法を理解すると共に、実践的な指導の要点を体得してもらいたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 生徒指導の意義や目的・ねらい、原理、方法に関する理解を深めるとともに、生き方指導である進路指導の理論と実践を理解し、学校生活が児童一人ひとり及び集団にとって有意義かつ興味深く、充実したものになるような理論と実践について考察できるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 1.事例研究における集団討論等グループワークでの発言・発表の状況
 2.授業中に実施する数回の事例研究に対するレポート
 3.期末試験
 以上を総合的に勘案する
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
 『生徒指導提要』(文部科学省)
 参考文献
 国立教育政策研究所生徒指導センター『生徒指導資料第3集規範意識をはぐくむ生徒指導体制』
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキスト「生徒指導提要」を詳述,解説する時間的余裕は無いので、毎回の授業で関連する内容や項目を指示するに留める。従って、その箇所については授業後復習も兼ねて必ず読んでおくこと。また、授業中に紹介する各種統計資料は、その原文にあたり、データをダウンロードしておくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 1.この授業は講義を基本としますが、授業内容の性格上、グループワークなどの活動も含まれます。そのため、他学生との協同性から出席は厳しく管理します。
 2.教員との連絡については、メールを原則とします。連絡用のメールアドレスと具体的な方法は初回の授業で通知します。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 学校組織の理解と様々な役割、学校に関わる様々な法規とその運用
【第3回】
 学校教育における生徒指導・児童生徒理解の位置付けと役割
【第4回】
 子ども達の学校生活への適応と動機付け
【第5回】
 学校における生徒指導体制づくり
 開かれた生徒指導体制の構築と地域・関係機関との連携
【第6回】
 生徒指導の今日的課題
 多様化する問題行動、家庭・地域の教育力と学校の生徒指導
【第7回】
 事例研究の手法と実際
 短縮事例法とインシデント・プロセス法を中心に
【第8回】
 生徒指導の実際(1)
 小学生への防犯・安全教育について
【第9回】
 生徒指導の実際(2)
 小学生で配慮すべき問題行動について「いじめ」を中心に
【第10回】
 生徒指導の実際(3)
 学校不適応と生徒指導上の諸問題の状況「不登校」を中心に
【第11回】
 生徒指導の実際(4)
 地域・保護者との連携、そこでの現実的な諸課題について
【第12回】
 生徒指導の実際(5)
 ネット社会にどう関わらせるか
【第13回】
 生徒指導と学級経営、教科指導
【第14回】
 進路指導:学校生活への導入事例の検討
 社会科見学の事例をもとに
【第15回】
 キャリア教育と職業教育
 進路指導の諸理論、学習指導要領における進路指導