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授業の内容(Course Description) |
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近年学校現場では、外部評価アンケートの実施などが盛んになり、データを統計的に処理し考察する能力が求められている。また、PISAに代表されるように、データから正しく情報を読み取る力を児童生徒に育成することは今日の学校教育で求められる「生きる力」の主要なポイントでもある。 しかし、統計学的な発想や思考は、人の日常的な思考とは離れている。そのため、日常的な経験を重ねるだけでは、「様々な資料を…多面的・多角的に考察し、事実を正確にとらえ、公正に判断する…」(中学校新指導要領社会、2008)ことは難しい。情報を的確に判断できるリテラシーは、学習を通して身に付ける事が必要である。 本演習では、アンケート調査の分析の手法からいくつかを取り上げて学習すると共に、実際のアンケート調査と分析を通してその技能や発想、思考方法を体得すること、それを児童生徒に指導できる力量を育成することを目的とする。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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○児童生徒に対して「調べ学習」「調査活動」を指導することができる、教員としての総合的な力量を育成する 1.アンケート実施のための基本的な技能や留意点を理解し、調査が行えること 2.データ処理の手法を知り、そのためのPC活用ができること 3.代表的な検定(推定)の手法について理解し、それを用いてデータを分析できること 以上、小・中学校教員として現場で調査活動を行う、指導することができる力量を身に付けること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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実際にアンケートを作成・実施・集計・分析を行った上で、最終的に小論文を提出してもらう。その一連の活動と小論文の内容で評価を行う。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは特になし。授業の中で適宜レジュメを配布します。 参考文献 『統計学がわかる』(向後千春、冨永敦子著、技術評論社、1,764円)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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本授業では、集計作業等にPC(Excel)を用います。高度な内容は要求しませんが、最低限文字入力やセルの操作方法などExcelの基本的な操作方法の理解が必要です。自信がない学生は、予習・復習をしておくこと。 授業内容の復習のため、課題を出します。次週の授業までに忘れずに取り組むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業に真面目に出席すれば、誰でも到達目標までは到達できるようになります。難しい数学的な知識は要求しません。反対に一度でも休むとその回の内容が理解できなくなります。通常の教室以外に、適宜PC教室も使用しますので教室変更の連絡を見落とさないこと。 また、本授業は演習ですから、学んだ知識を実際に活用する機会を作ります。演習はグループ活動で行いますので、積極的に活動に参加をするようにして下さい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 演習に関するオリエンテーション ・演習内容や進め方 【第2回】 演習のための基礎理解① 標本調査の意味と調査計画 【第3回】 演習のための基礎理解② 調査票の作成 【第4回】 演習のための基礎理解③ データの種類と処理 【第5回】 演習のための基礎理解④ アンケートの集計 単純集計とクロス集計 【第6回】 演習のための基礎理解⑤ 分割表の解析 χ二乗検定の基礎理解1 【第7回】 演習のための基礎理解⑥ 分割表の解析 χ二乗検定の基礎理解2 【第8回】 演習のための基礎理解⑦ 分割表の解析 χ二乗検定と残差分析 【第9回】~【第13回】 グループワーク 調査計画の作成と実施 【第14回】・【第15回】 グループワーク 調査結果及び考察の発表と議論
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