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授業の内容(Course Description) |
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古代ギリシアは成年男子であるポリス市民の世界であり、女性たちは公的な存在とは見なされず、私的な世界に追いやられた。現存する古代史料の99%以上は男性の手で書かれたものであり、現代の専門研究者の視点もまた女性に対する偏見を必ずしも免れてはいない。こうした状況で、古代ギリシア女性たちの声なき声を聴き取るにはどうしたらよいか。古代史料と専門研究の二重のフィルターを正し、偏見のない眼差しで女性像を描きだすにはいかなる方法があるのか。この授業では、アテネ女性史の研究をとおしてこうした問題に取り組んでいく。ここで習得された史料読解と研究の方法は、歴史学の他の分野にも応用のきくものである。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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研究文献と古典史料の抜粋を合わせて読解し、史料解釈の基本的な方法を学ぶこと
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席(授業内レポート)30%、中間試験30%、期末試験40%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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桜井万里子『古代ギリシアの女たち』中公文庫(毎回必ず持参すること)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テキストの指定された範囲をあらかじめ読んでくること
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業内レポートの提出をもって出席点とするので、毎回休まずに出席すること
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 女性史を学ぶ意味 【第2回】 アテネ市民団における女性の地位 【第3回】 家と結婚 【第4回】 エピクレーロス(家付き娘) 【第5回】 姦夫殺害事件をめぐって 【第6回】 女だけの祭 【第7回】 前半のまとめと中間試験 【第8回】 喜劇に描かれた女性たち:アリストパネス『女の平和』『女の議会』 【第9回】 女流詩人サッポー 【第10回】 銀行家の妻アルキッペ 【第11回】 遊女ネアイラの数奇な生涯 【第12回】~【第14回】 女性の衣装と社会的イメージ 【第15回】 後半のまとめと授業内試験
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