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授業の内容(Course Description) |
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標題「日本の軍隊と事変・戦争」に関する講義を行う。そもそも軍隊・軍事力とは一体何なのか? 日本の大きな政治勢力であった日本陸・海軍が如何なる生い立ちの下にあり、如何なる歴史的意義を持ったのか? 主要な「事変」や「戦争」に対し、いかなる内情のもとに如何に係わり、日本の歴史に如何なる影響を及ぼしたかについて学ぶ。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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学生は、受講により、内政・外交のいずれに対しても、歴史上大きな影響を与えてきた「武」、「軍事力」、「軍隊」の意義と役割を複眼的に観察し、国家・社会・国際関係等の本質を把握することを期待する。また、支那事変(日中紛争)の根源と日中関係、海軍の軍縮対応並びに太平洋戦争の研究を通じ、日米関係に関する今日的意義に関しても思索と理解が望まれる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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史学専攻学生の立場から、講義参加を重視し、毎回出席を取る。前期の授業時間内にミニテストを行なうとともに、最終的にテストを行い、総合的に評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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① 講義テキスト(レジュメ等)は講義の都度、提示する。 ② 参考文献は、以下のとおりである。 * 黒野耐『日本を滅ぼした国防方針』(文芸春秋、平成14年) * 臼井勝美『満州事変』(中央公論社、昭和63年) * 古屋哲夫『日中戦争』(岩波書店、1993年) * 波多野澄雄『大東亜戦争の時代』(朝日新聞社、昭和63年) * 新人物往来社『日本の軍隊』(2008年)
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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* 期間中適宜にミニテストを行なうので、事前に教員から紹介された参考資料を確認すること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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学生は貴重な青年時代を無為に過ごすことなく、「積極進取」の気概を持ち史学専攻の立場から講義に意欲をもって望んで欲しい。 学習する題材に対し、あくまでも陸・海軍が、事変や戦争に対し、如何なる因果関係のもとに、如何なる影響を及ぼしたか等に焦点をあてて勉学するように望む。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション(授業目的、期待効果、講義内容等の説明) ・ 「武」「軍事」「戦争・平和」とは何か。 ・ 「孫子」、カール・フォン・クラウゼヴィッツ「戦争論」 ・ アルフレッド・セイヤー・マハンの「シーパワー論」他 【第2回】 軍とは何か、戦争回避とは何か、安全保障、防衛、侵略とか何か? 【第3回】 日本の軍隊の全貌(編制・制度、階級、予算、装備・施設等)、政軍関係 【第4回】 帝国国防方針制定の背景と影響 【第5回】 統帥綱領、軍艦外務令、戦陣訓 【第6回】 アメリカの白色艦隊の日本来航と歴史的意義 【第7回】 満州事変の勃発の背景 (満州事変勃発の背景と構造、関東軍の独走の実態と意義、謀略の意義、国際連盟等の反応と意義) 【第8回】 上海事変(第一次)の背景と勃発 (中国の排日運動、戦闘開始のメカニズム、謀略、上海租界の特殊性) 【第9回】 上海事変と国際連盟(戦闘終結と停戦交渉の審議、歴史的意義、中国側から見た満州・上海事変) 【第10回】 華北分離工作(1) 【第11回】 華北分離工作(2) 【第12回】 国際孤立化した国家の実相、「広田三原則」、「国策の基準」等の林立する国策の決定の背景と影響 【第13回】 ロンドン海軍軍縮問題から始まった海軍の強硬化路線、統帥権干犯問題の影響等 【第14回】 日中戦争(支那事変)の背景(1) (国際関係:日中、日米、日英関係等) 【第15回】 日中戦争(支那事変)の背景(2) (国内関係:中国再認識論、一撃論、盧溝橋事件、北支事変等)
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