Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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日本史特殊講義8C- II 影山 好一郎
選択必修  2単位
【史】 11-1-1340-1840-08

1. 授業の内容(Course Description)
 前期の授業目的と同じく、「日本の軍隊と事変・戦争」に関する講義を行う。日本の大きな政治勢力であった日本陸・海軍が如何なる生い立ちの下にあり、主要な「事変」や「戦争」に対しいかなる内情のもとに如何に係わり、日本の歴史に如何なる影響を及ぼしたかについて学ぶ。
なお、今期のテーマは第ニ次上海事変(昭和12年)以降の険悪化した日中関係から日米関係への推移を取り上げる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 前期同様に、学生は受講により、内政・外交のいずれ対しても歴史上大きな影響を与えてきた日本の陸海軍が如何なる展開をとげ、如何なる意味を持ったかを学ぶ。それらを通じて、「武」、「軍事力」、「軍隊」の意義と役割を功罪両面から複眼的に観察し国家・社会・国際関係等の本質を把握することを期待する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 前期同様に、史学専攻学生の立場から、講義参加を重視し、毎回出席を取る。前期の授業時間内にミニテストを行なうとともに、最終的にテストを行い、総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 ① 講義テキスト(レジュメ等)は講義の都度、提示する。
 ② 参考文献は、以下のとおりである。
   * 黒野耐『日本を滅ぼした国防方針』(文芸春秋、平成14年)
   * 臼井勝美『満州事変』(中央公論社、昭和63年)
   * 古屋哲夫『日中戦争』(岩波書店、1993年)
   * 波多野澄雄『大東亜戦争の時代』(朝日新聞社、昭和63年)
   * 新人物往来社『日本の軍隊』(2008年)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 * 前期に同じ
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 前期同様に、「積極進取」の気概を持ち、史学専攻学生の立場を重視し、講義に意欲をもって望んで欲しい。ことに、後期の場合は、日本の陸海軍、外務省の対外政策が、日中関係の屈曲した対立構造のもとに顕著に現われる時期であり、極力、教訓を抽出・把握することを期待する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 上海事変(第二次)勃発の因果関係(居留民保護、大山事件から第二次上海事変へ)
【第2回】
 支那事変全面拡大の構造と影響
【第3回】
 日中戦争の拡大と陸軍
【第4回】
 日中戦争の拡大と海軍
【第5回】
 事変の展開と近衛第一次声明
【第6回】
 事変の展開と近衛第二次、第三次声明(東亜新秩序構想、日本の資源問題)
【第7回】
 事変の展開と英米列国(対日抑圧と中国支援、国際連盟を含む)、和平工作(汪兆銘工作等を含む)
【第8回】
 三国同盟問題と大東亜共栄圏構想
【第9回】
 真珠湾奇襲奇襲(開戦)の構造(山本五十六の発想と実現化の構造)
【第10回】
 日米両国から見た日米交渉の不成功の構造と意義(1)(太平洋戦争開戦経緯(1))
【第11回】
 日米両国から見た日米交渉の不成功の構造と意義(2)(太平洋戦争開戦経緯(2))
【第12回】
 第一段作戦期(ハワイ真珠湾作戦・マレー上陸作戦からインド洋作戦)
【第13回】
 第二段作戦以降(珊瑚海海戦、ガダルカナル・ニューギニア戦線以降、終戦まで)
【第14回】
 太平洋戦争の総括
【第15回】
 日本の軍隊の歴史的意義とまとめ(自衛隊の創設を含む)