Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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未来社会論 池 周一郎
選択  2単位
【社会】 11-1-1350-0028-11

1. 授業の内容(Course Description)
 あらゆる未来は現在の社会の反映である。現在の社会の様々な問題が未来社会論に現れると言えるであろう。本講義ででは、知識社会学視点から、さまざまな未来社会像に関して批判的な分析を加え、以って現代社会のよりリアルな認識を目指すこととする。実は未来社会像には、「ユートピア」や「破滅・滅亡」という過去から存在するあるパターンが認められ、それらのパターン毎にさまざまな「映画化」が行われている。我々はその特徴を過去の名画を鑑賞することから観察し、分析して、人間が未来を構想するときの特徴を把握したい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 未来社会という考え方のパターンが把握できることと、未来社会論に潜む現在の社会の問題が認識できるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席60%と課題と10%と期末レポート試験30%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 とくになし。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 指定された図書を読んでおくことや、視聴した映画の感想を書いておくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 未来社会へのイマジネーションを高めて、読書し、名画を鑑賞してください。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス SFを楽しむ
【第2回】
 未来社会の構想可能性、SFの成立 産業化と進歩-進化思想 H.G.WellsとJ.Verne
【第3回】
 タイムマシンの意義 (映画『タイムマシン』を見る)
【第4回】
 人類の滅亡 滅亡はどんな問題を語っているか。普遍的パターン(映画『猿の惑星』)
【第5回】
 人類に取って代わるもの (『宇宙戦争』、『猿の惑星』、『続猿の惑星』、『ターミネーター』)
【第6回】
 核兵器による自滅 冷戦の大きく黒い影 (『渚にて』、『博士の異常な愛情』)
【第7回】
 相互確証破壊(MAD) (『博士の異常な愛情』)
【第8回】
 ユートピア幻想 トマス・モア ガリバー旅行記 『時計仕掛けのオレンジ』
【第9回】
 悪夢のユートピア=管理社会への恐怖 『華氏451』、『未来世紀ブラジル』
【第10回】
 全体主義の静かな支配 『1984』
【第11回】
 階級対立 階級概念の生成はいつ頃か 科学的社会主義? 『トータル・リコール』
【第12回】
  未来の階級対立 現在の対立の投影 『メガロポリス』
【第13回】
 生命操作の可能性 『モロー博士の島』、『ブレードランナー』
 人類改造は古くから発想されていたSFである
【第14回】
 宇宙へと進出する人類 『2001年宇宙の旅』 探検と征服への野望の現れ
【第15回】
 まとめ:未来社会とは何か。