Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
アイデンティティの社会学 石井 秀夫
選択  2単位
【社会】 11-1-1350-0039-01

1. 授業の内容(Course Description)
 多くの若者は豊な時代を楽しみながらも、心のどこかでは自分自身の生き方に不安を感じ、納得できる生き方を求めているのではなかろうか。一人ひとり異なるゆえ対立や緊張の多い社会の中で、満たされ充実した生き方があるとすれば、それはどのようなものだろうか。あるものは新興宗教へ傾倒し、また別のものはアルコールや薬物へ依存する。トラウマやアダルトチルドレンに苦しむものも多い。このような生き方はなぜ病理とされるのだろうか。健康なアイデンティティとはなんだろうか。
 本講義では、社会の中でわれわれの人格が形成される過程をエリクソンのアイデンティティ論を軸に学んでいく。アイデンティティとは自分らしい生き方ということであるが、その自分らしさはどのような時期にどのような経過をたどって形成されるのか。青年期のもっとも大切な課題である自分らしさの確立について乳幼児期から青年期までの課題を論じる。同時に、健康で生産的な自己とは何か、病的な自己とは何かなど、人間性のあり方を社会への適応という点から論じていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 人生の各発達段階で解決すべき課題を理解するとともに、自分自身の生き方について理解を深める。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 試験は論述式でおこなう。評価にあたっては授業に出ていたかどうかを重視する。授業は知識の羅列とその記憶というより、われわれの生き方について考えることが多いので、出席していない者の単位取得は困難である。出席状況30%、学期末試験70%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 石井 秀夫『家族と子育ての社会学』八千代出版 2008
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 教員の指定する文献をあらかじめ読むことはもちろんのこと、内容を理解するために用語を調べるなどの準備を行うこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業は典型的な講義形式である。授業には必ず出席し、静かに聞き、自分自身の生き方について、また人々の生き方について考えてもらいたい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス:授業の進め方 評価の仕方
【第2回】
 アイデンティティとは何か
【第3回】
 漸成原理と漸成図表
【第4回】
 自我 自己 アイデンティティ
【第5回】
 乳児期・幼児期の発達課題
【第6回】
 遊戯期 学童期の発達課題
【第7回】
 青年期とモラトリアム
【第8回】
 若い成人期 成人期 社会性の成熟
【第9回】
 対人距離の問題
【第10回】
 過剰同一視 ステューデント・アパシー
【第11回】
 時間的展望と勤勉性の問題 否定的同一性
【第12回】
 青年期の自己 合理化 正当化
【第13回】
 依存症の問題
【第14回】
 成熟と自立
【第15回】
 まとめとテスト