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授業の内容(Course Description) |
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出版社の数は4000弱。その半数は、従業員10人以下の小規模出版社です。講談社や小学館、集英社、文藝春秋社、新潮社などのように、月刊誌、週刊誌、女性誌から一般書籍、文芸書、新書・文庫などを出版する総合出版社から、ある特定分野の書籍や雑誌のみ刊行する小出版社まで、その形態はさまざまで、刊行される雑誌、書籍は日々、生成消滅を繰り返しています。編集プロダクションやアングラ出版まで含めれば、その世界は茫漠として、とてもその全貌を俯瞰することはできません。見方を変えれば、関わる人間の数だけ独自の世界が開けるきわめて人間臭い、融通無碍な世界ともいえます。構造不況が続いている出版界ですが、その意味で、なかなかしぶとい世界でもあります。本講座では、雑誌の流れを軸に、日本の出版界を担った人たち、現に担っている出版人の仕事を紹介しながら、個別具体的な出版界の実態にふれることで、今後の出版界の展望と可能性を考えたいと思います。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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出版社の歴史、雑誌を含む出版物の歴史を学び、多様な出版界の実状を知ることで、それらが担ってきた文化的・社会的役割を認識し、書籍や雑誌にたいする関心をさらに高めること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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期末の最終授業で試験を実施。ほかに授業中に随時行うテストを加味。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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とくに指定しません。そのつど、参考図書を紹介します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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新聞の雑誌広告・新刊案内・書評欄に目を通すこと
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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できるだけ多くの書籍、雑誌にふれること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション――近代以前の出版 【第2回】 国語元年――現代日本語の成立と展開 【第3回】 出版社の誕生1――博文館・多様な雑誌の成立 【第4回】 出版社の誕生2――実業之日本社・出版流通システムの確立 【第5回】 出版社の誕生3――新潮社・文芸出版の成立 【第6回】 出版社の誕生3――講談社と国民雑誌「キング」 【第7回】 出版社の誕生4――岩波書店と教養主義 【第8回】 文庫・新書の刊行と「円本時代」 【第9回】 総合雑誌「中央公論」と「改造」 【第10回】 戦時出版規制と横浜事件 【第11回】 戦後カストリ雑誌と出版社系週刊誌の誕生 【第12回】 漫画の週刊誌化と巨大産業化 【第13回】 若者文化の創造――「平凡パンチ」の時代 【第14回】 雑誌のヴィジュアル化とセグメント化の進展 【第15回】 まとめと試験
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