Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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デイケアの臨床 張田 真美
選択  2単位
【心理】 11-1-1360-0437-01

1. 授業の内容(Course Description)
 「老人デイケア」という言葉は多くの人が耳にしたことがあると思うが、この授業では「精神科デイケア」について学ぶ。
 精神科デイケアは精神科医療の一つであり、地域で生活する精神障害者(主に統合失調症患者)のリハビリテーション(社会復帰と参加)を目的としている。メンバー(患者)は週に4日程度デイケア施設に通い、スタッフ(精神保健福祉士、看護職、作業療法士、臨床心理技術者ら)とともに、さまざまなグループ活動を行う。
 社会の中で孤立しがちな精神障害者がデイケアに自分の居場所を見いだし、仲間とともに自分の障害とうまく折り合いをつけながら生きて行く力を身につけたとき、医療中断、再発防止に大きな効果をあげることができる。
 大学生が通学に利用している電車やバスの中には、実は同じように精神科デイケアに通う精神障害者が乗っていることから知ってほしい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 精神科デイケアを通じて、現在日本の精神障害者のおかれている現状について、そして彼らがどのように社会復帰を目指しているかを理解することを到達目標とする。将来、精神障害者と地域や職場で共に暮らすことを、自分のこととして考えていける大人になってほしい。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 持ち込み不可の定期試験(マークシート方式、および記述式)を90%、そして出席を10%。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『精神科デイケアの始め方・進め方』窪田彰 金剛出版 2004年 3,600円
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキストを予習、復習として読むこと。
 関連したテレビ番組を視聴したり講演会に積極的に参加すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 心理学以外に精神保健福祉学と関連する講義となる。卒業後、国家資格「精神保健福祉士」の取得に関心がある学生の受講を勧める。
 グループの力がどれだけ人を変化させるのかに注目してほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス  「精神科デイケアとは」
【第2回】
 日本における精神科医療とリハビリテーション
【第3回】
 デイケアの法的位置づけ
【第4回】
 デイケアの対象者
【第5回】
 ゲストスピーカーによる体験談
【第6回】
 デイケアでの活動(プログラム)
【第7回】
 スタッフの役割、チーム医療について
【第8回】
 デイケア利用の流れ
【第9回】
 生活技能訓練(SST)、ビデオ視聴
【第10回】
 デイケア施設見学会 第一班
【第11回】
 デイケア施設見学会 第二班
【第12回】
 施設見学の振り返り、家族会について
【第13回】
 就労援助
【第14回】
 日本におけるデイケアの現状
【第15回】
 まとめ・定期試験