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授業の内容(Course Description) |
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「発達心理学」また「社会心理学」の分野での基礎的な(=日本語で書かれた)文献を読み、討議・討論をしながら、当該分野の研究動向を眺望します。 近年、「生涯発達」という概念が注目されてきています。人の一生を発達段階ごとにバラバラに考えるのではなく、一生を通じての発達を視野に入れて考えようという概念です。この「生涯発達」の視座から「諸君の今現在」――青年期/もはや子どもではなく、かと言って、大人でもない、“どっちでもない世界”(Adolescent Liminality)――を、みんなで、考えてみることをしよう! さてっ、「犯罪は社会を映す鏡である」とよく言われます。『我よりも熱き血の子は許しがたく少年院を妬みて見おり』(春日井 建)との歌もありましたね。我が国青年(期)の現局面を「犯罪」との繋りで追っかけてもみよう!
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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学生も教師も、ともに、頑張って、「知は力なり」を具現してゆきたい。当該心理学領域の用語や諸説の単なる“暗記”や“詰め込み”を超えて、それらの意味するところの理解、すなわち、「人の世のあれこれ」を“明察”する眼を“開眼”してゆくこと、それが目標であり祈りでもあります。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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互いの意見(感じたこと/思ったこと/考えたこと)を発表しあい、クラス全体で討議・討論することが“命”ですから、欠席が6回以上あった場合は評価が入らないものとし、3回の遅刻は欠席1回に相等する、との“約束”で授業を進めます。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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春学期には→大野 久(編著)『シリーズ生涯発達心理学④:エピソードでつかむ青年心理学』(ミネルヴァ書房・2010)が、秋学期には→土井隆義(著)『人間失格?-「罪」を犯した少年と社会をつなぐ-』が、テキストとなります。討議・討論の進展に即応させて、関連する参考文献を紹介してゆきます。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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この授業は、学生諸君の各人が「主役」ですよっ! ちなみに、それぞれが、テキスト(の各回該当部分)を必ず読み切って、論点を整理して、自分の意見・主張を携えて、教室へと参集してくること、このことが必須にして最低限の《準備学習》課題です。これが達成されなかったとしたら、授業は陰鬱に漂流し出し、みんなが“生ける屍”のごとくに向き合っているだけになるだろう。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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自身をも含めて「人間」への興味がいっぱいあって、「社会のあれこれの出来事」についても強く関心があって欲しい。ちなみに、新聞も読んでいて小説も漫画も読むひと、映画も芝居もよく観に行くひと、そのうえで、時間にも余裕のあるかた、そういう学生諸君を歓迎!!
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授業の計画(Course Syllabus) |
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心理学基礎文献研究Ⅰ(春学期) 大野 久(編著)『シリーズ生涯発達心理学④:エピソードでつかむ青年心理学』(ミネルヴァ書房・2010) 序 章 青年期を理解する 第Ⅰ章 青年期のアイデンティティの発達 第Ⅱ章 青年期の恋愛の発達 第Ⅲ章 青年期の親子関係 第Ⅳ章 青年期の友人関係 第Ⅴ章 青年期と学校 第Ⅵ章 社会に出ていくということ 終 章 自我発達から見た成人期と老年期 【第1回】 履修ガイダンス/チーム編成 【第2回】 序章の討論 【第3回】・【第4回】 第Ⅰ章の討論 【第5回】・【第6回】 第Ⅱ章の討論 【第7回】・【第8回】 第Ⅲ章の討論 【第9回】・【第10回】 第Ⅳ章の討論 【第11回】・【第12回】 第Ⅴ章の討論 【第13回】・【第14回】 第Ⅵ章の討論 【第15回】 終章の討論/総括 心理学基礎文献研究Ⅱ(秋学期) 土井隆義(著)『人間失格?-「罪」を犯した少年と社会をつなぐ-』(日本図書センター・2010) プロローグ 第1章 白書統計から眺めた少年犯罪 第2章 人間関係に縛られた少年たち 第3章 成熟した社会のパラドクス 第4章 保護の対象から責任の対象へ 第5章 社会の病理から個人の病理へ 第6章 不寛容な社会のバラドクス エピローグ 【第1回】 ガイダンス/チーム再編成 【第2回】 プロローグの討論 【第3回】・【第4回】 第1章の討論 【第5回】・【第6回】 第2章の討論 【第7回】・【第8回】 第3章の討論 【第9回】・【第10回】 第4章の討論 【第11回】・【第12回】 第5章の討論 【第13回】・【第14回】 第6章の討論 【第15回】 エピローグの討論/総括
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