Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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心理学基礎文献研究 I ・ II 南  隆男
必修  各2単位
【心理】 11-1-1360-1871-06

1. 授業の内容(Course Description)
 「発達心理学」また「社会心理学」の分野での基礎的な(=日本語で書かれた)文献を読み、討議・討論をしながら、当該分野の研究動向を眺望します。
 近年、「生涯発達」という概念が注目されてきています。人の一生を発達段階ごとにバラバラに考えるのではなく、一生を通じての発達を視野に入れて考えようという概念です。この「生涯発達」の視座から「諸君の今現在」――青年期/もはや子どもではなく、かと言って、大人でもない、“どっちでもない世界”(Adolescent Liminality)――を、みんなで、考えてみることをしよう!
 さてっ、「犯罪は社会を映す鏡である」とよく言われます。『我よりも熱き血の子は許しがたく少年院を妬みて見おり』(春日井 建)との歌もありましたね。我が国青年(期)の現局面を「犯罪」との繋りで追っかけてもみよう!
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 学生も教師も、ともに、頑張って、「知は力なり」を具現してゆきたい。当該心理学領域の用語や諸説の単なる“暗記”や“詰め込み”を超えて、それらの意味するところの理解、すなわち、「人の世のあれこれ」を“明察”する眼を“開眼”してゆくこと、それが目標であり祈りでもあります。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 互いの意見(感じたこと/思ったこと/考えたこと)を発表しあい、クラス全体で討議・討論することが“命”ですから、欠席が6回以上あった場合は評価が入らないものとし、3回の遅刻は欠席1回に相等する、との“約束”で授業を進めます。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 春学期には→大野 久(編著)『シリーズ生涯発達心理学④:エピソードでつかむ青年心理学』(ミネルヴァ書房・2010)が、秋学期には→土井隆義(著)『人間失格?-「罪」を犯した少年と社会をつなぐ-』が、テキストとなります。討議・討論の進展に即応させて、関連する参考文献を紹介してゆきます。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 この授業は、学生諸君の各人が「主役」ですよっ! ちなみに、それぞれが、テキスト(の各回該当部分)を必ず読み切って、論点を整理して、自分の意見・主張を携えて、教室へと参集してくること、このことが必須にして最低限の《準備学習》課題です。これが達成されなかったとしたら、授業は陰鬱に漂流し出し、みんなが“生ける屍”のごとくに向き合っているだけになるだろう。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 自身をも含めて「人間」への興味がいっぱいあって、「社会のあれこれの出来事」についても強く関心があって欲しい。ちなみに、新聞も読んでいて小説も漫画も読むひと、映画も芝居もよく観に行くひと、そのうえで、時間にも余裕のあるかた、そういう学生諸君を歓迎!!
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 心理学基礎文献研究Ⅰ(春学期)
 大野 久(編著)『シリーズ生涯発達心理学④:エピソードでつかむ青年心理学』(ミネルヴァ書房・2010)
  序 章 青年期を理解する
  第Ⅰ章 青年期のアイデンティティの発達
  第Ⅱ章 青年期の恋愛の発達
  第Ⅲ章 青年期の親子関係
  第Ⅳ章 青年期の友人関係
  第Ⅴ章 青年期と学校
  第Ⅵ章 社会に出ていくということ
  終 章 自我発達から見た成人期と老年期
【第1回】
 履修ガイダンス/チーム編成
【第2回】
 序章の討論
【第3回】・【第4回】
 第Ⅰ章の討論
【第5回】・【第6回】
 第Ⅱ章の討論
【第7回】・【第8回】
 第Ⅲ章の討論
【第9回】・【第10回】
 第Ⅳ章の討論
【第11回】・【第12回】
 第Ⅴ章の討論
【第13回】・【第14回】
 第Ⅵ章の討論
【第15回】
 終章の討論/総括
 心理学基礎文献研究Ⅱ(秋学期)
 土井隆義(著)『人間失格?-「罪」を犯した少年と社会をつなぐ-』(日本図書センター・2010)
  プロローグ
  第1章 白書統計から眺めた少年犯罪
  第2章 人間関係に縛られた少年たち
  第3章 成熟した社会のパラドクス
  第4章 保護の対象から責任の対象へ
  第5章 社会の病理から個人の病理へ
  第6章 不寛容な社会のバラドクス
  エピローグ
【第1回】
 ガイダンス/チーム再編成
【第2回】
 プロローグの討論
【第3回】・【第4回】
 第1章の討論
【第5回】・【第6回】
 第2章の討論
【第7回】・【第8回】
 第3章の討論
【第9回】・【第10回】
 第4章の討論
【第11回】・【第12回】
 第5章の討論
【第13回】・【第14回】
 第6章の討論
【第15回】
 エピローグの討論/総括