Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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投映法特論 加藤 志ほ子
選択  4単位
【臨床心理学専攻】 11-1-1360-2704-07

1. 授業の内容(Course Description)
 投映法(projective methods)検査にはロールシャッハ法・TAT・言語連想検査・SCT・バウム・S-HTP・風景構成法などの描画法などがある。刺激特性は「あまり構造化されていない場や対象」であることから、信頼性や妥当性の点で問題があると指摘されてきており、その意味では、投映法は実に厄介な問題があるが、臨床場面では広く採用されてきている。自由に連想したものに投映されている主題や、情緒傾向、こうした内的なものとその人自身とのかかわり方、その適応水準についてなどを、検査者が推測していくとき、私たちはそれを投映法と呼ぶ。心理臨床では臨床現場の要請に合わせて、いくつかの投映法検査をバッテリーを組んで使用することがある。臨床現場の要請に沿った形で、各種の投映法検査について学び、その施行法、集計法、解釈仮説、統合的理解を進めていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ロールシャッハ法を中心に、研究や臨床に役立つ水準の基礎データーがとれるようにすることを目標に、基礎訓練を行う。データーからの読み取りについては、自我心理学の病態論や、継起分析による自我機能の流れの読み取り、テストバッテリーによる現れ方の違い、心理療法との照合などを学ぶ。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席・平常点を加味し、レポート・試験で、総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『改訂・心理診断法』 片口安史著  金子書房
 『改訂・境界例』-ロールシャッハテストと心理療法- 馬場礼子著 岩崎学術出版社
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 復習と、関係する文献の予習が望まれる。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 基礎データーからの心理的な読み取りには、自己分析が役に立つ。検査技法の習得とともに、内面の力動の動きに関心を持つことが望まれる。また、授業には積極的に参加することが望まれる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 技法習得の実際に応じて計画は変更されることがある。
【第1回】
 概論
【第2回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 施行法
【第3回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 分類(scoring)の前提
【第4回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 反応領域(location)の分類
【第5回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 反応決定因(determinant)の分類
【第6回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 反応内容(content)の分類
【第7回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 形態水準(form level)の評価
【第8回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 分類結果の整理
【第9回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 解釈法/解釈の前提/反応数反応時間の意味づけ/反応領域の意味づけ
【第10回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 反応決定因の意味づけ/反応内容の意味づけ/形態水準の意味づけ
【第11回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 総合的解釈/継起分析による解釈
【第12回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 臨床的適用/精神医学的診断との対応
【第13回】
 投映法検査の実際 ロールシャッハ法 精神神経症
【第14回】
 投影映法検査の実際 ロールシャッハ法 統合失調症/逸脱言語表現/知覚的退行
【第15回】
 春学期のまとめ