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授業の内容(Course Description) |
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ヨーロッパ文学の原点であるホメロスの『イリアス』を叩き台としながら、我々アジア人と西洋的な考え方との相違を軸に欧米的なものの理解を目指します。とりわけ欧米的な「個人主義」を社会的・歴史的・思想的に見ていきます。 この講義の目的は、大きく三つあります。一つ目は、自ら考える姿勢を身につけること、二つ目はそれを自らの言葉できちんと説明できるようになること、そして三つ目は、その姿勢を現実に当てはめて実践できるようになることです。 その為に、小論述を三回行います。あるテーマに対して自ら問題を見つけ出し、その問題に対して自ら考えて結論を導き出す作業は、大学で求められる本来の知のあり方です。知識というものは、丸暗記してテストの空欄に埋める為にあるのではありません。自分で考える際の道具としての知識の重要性を理解してもらいたいと思います。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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西洋文明の原点ともいえる「イリアス」を出発点として、近世に至るまでの西洋の社会・歴史・思想の基本的な枠組みを理解すると同時に、現代的な視点から歴史を見る目を養います。試験で60点以上の点数はこうした目標の到達目安と考えてください。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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小論述を授業中に三回やります。配点は10点、45点、45点です。合計60点以上で合格ですが、抜き打ち三回の出席で、欠席一回につき5点減点となります。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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ホメロス『イリアス(上巻)』『イリアス(下巻)』(岩波文庫) 養老 孟司『バカの壁』(新潮新書) 参考文献は、適宜授業中に指示します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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『イリアス』、『バカの壁』は前期を通して読了してください。論述試験は、これらの理解を前提とします。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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私語・遅刻は禁止です。出席は抜き打ちで三回とります。三回とも欠席の場合、試験の受験資格を失います。代返できない方法で出席をとります。不真面目な学生には厳しい態度で臨みます。すべて、やる気ある学生の授業環境を維持する為の措置ですので、ご協力をお願いします。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス。有機的な知の体系の構築に向けてのラーニング・ポートフォリオ 【第2回】 論述の書き方の説明 第一回小論述(配点10点) 【第3回】 イリアスの歴史的背景説明 【第4回】 古典文学の意義 【第5回】 古代ギリシア「神話の時代」 【第6回】 エディプス・コンプレクスと弱肉強食 【第7回】 中間まとめ 第二回小論述(配点45点) 【第8回】 イリアスの近代的意義:近代個人の起源 【第9回】 社会契約説(1) 【第10回】 社会契約説と日本国憲法 【第11回】 西洋合理主義の原点:「神話の時代」から「理性の時代」へ 【第12回】 自然哲学から「存在」の世界へ。 【第13回】 ギリシア合理主義からユダヤ・キリスト教へ 【第14回】 キリスト教に見るプラトン主義とアリストテレス主義 【第15回】 最終回まとめ 第三回小論述(配点45点)
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