Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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実践的番組制作論 II (テレビの達人たち) 阿部 輝彦
選択  2単位
【社会】 11-1-1500-0691-04

1. 授業の内容(Course Description)
 1953年のテレビ開局以来、テレビの技術革新は日進月歩、生放送からフィルム、VTRに、モノクロからカラーに、そして今年は第二のテレビ元年アナログ波が停波(7月24日)しデジタル時代を迎える。
 一方テレビをとりまく環境も激変し、多メディア多チャンネルの中でテレビの立ち位置はどうあるべきか、又今後どうなってゆくのだろうか、テレビの存在感、テレビリテラシーが大きく問われはじめている。そのテレビの黎明期、成長期、安定期の58年間、番組制作の中枢で活躍して来たテレビの達人たち、その貴重な価値ある体験を通して現在のテレビ局がかかえる幾多のテーマ、課題をほりさげ、問題の核心に迫ってみる。あわせて前年評価の高かった「ワークショップ」を今年度は通年で実施する。バラエティ、スポーツ、情報ワイド番組、音楽、ニュース報道、ドラマ、ドキュメンタリー、イベントの8ジャンルを前期・後期にわけて企画書制作を中心に番組作りの第一歩にふみこんでもらう。更に今年度はテレビ東京の現役によるテレビ局の営業・制作・スポーツ、アニメ、番組宣伝、関連会社(音楽出版)の各分野のプロの生の見識、情報をきくことによって、現在のテレビ界の最新の状況をより一層把握することが出来る。
 テレビ番組は多くの人の共同作業である。ワークショップを通じては番組制作の基本である「企画書」作成を習得し、あわせて番組制作にかかわる多くのジャンルのプロの話から番組制作がいかに多岐にわたる関係者のチームワークと情熱でなりたっているかを学んでほしい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 何しろテレビをみてほしい。特にワークショップに対応した事前リサーチは、テレビリテラシーの習得と、学生諸君の創造力を惹起させる頭の体操として最適である。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席(50%)と課題レポート(50%)を総合し評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『テレビ局の内定がほしいなら、これは知っておけ』 池内正人著
   (元テレビ東京 代表取締役副社長、元BSジャパン代表取締役社長)
 『テレビ局が潰れた日』
 『テレビ番外地―東京12チャンネルの奇跡』 石光勝著
   (元テレビ東京 常務取締役)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ワークショップは3週つづけての出席を要望する。
 又常日頃からテレビ視聴は勿論の事、他メディア(新聞・雑誌・ラジオ等)周辺メディア(映画・音楽・演劇・美術工芸・交通広告等)に好奇心、関心をもってほしい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 テレビの歴史を創りあげた先達の貴重な体験談はそのまま井戸を掘った人間のみが知る人生の足跡でありサクセスストーリーである。又現役テレビマンの話は完全デジタル時代の激動のテレビ業界で生き残りをかけたメディアウォーズで苦悩、葛藤する一人の人間像として学生諸氏に比較的近い存在から「自分流」創造の貴重なアドバイスになると確信する。又2週にわたるワークショップを通じて番組制作の基本である「企画書」作成を習得し実社会での活用に役立ててほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 テレビを知り尽した放送人の苦言・直言
  (石光 勝   テレビ東京出身)
【第2回】
 テレビは世界をどう伝えるか
  (馬渕 豊   テレビ東京出身)
【第3回】
 ワークショップ(ニュース・報道部門)
  (馬渕 豊   テレビ東京出身)
【第4回】
 34年目に入った長寿番組「土曜ワイド劇場」にみるドラマ制作秘話
  (稲垣 健司  テレビ朝日出身)
【第5回】
 ワークショップ(ドラマ部門)
  (稲垣 健司  テレビ朝日出身)
【第6回】
 「赤坂サカス」企画から放送迄 誕生秘話
  (来住 尚彦  TBS)
【第7回】
 ワークショップ(イベント部門)
  (来住 尚彦  TBS)
【第8回】
 ドキュメンタリーの制作現場から
  (下村 幸子  NHK)
【第9回】
 ワークショップ(ドキュメンタリー部門)
  (下村 幸子  NHK)
【第10回】
 日進月歩のテレビ技術 58年の変遷 ①
  (小暮 克彦  テレビ東京出身)
【第11回】
 日進月歩のテレビ技術 58年の変遷 ②
  (小暮 克彦  テレビ東京出身)
【第12回】
 テレビ局の音楽出版とは
  (太田 修平  テレビ東京出身)
【第13回】
 テレビ局の番組宣伝活動について
  (渡辺 聖子  テレビ東京)
【第14回】
 アナウンサーからみたテレビ今昔そして未来は?
  (槙 徳子   テレビ東京出身)
【第15回】
 民放唯一の「アニメ局」の現況とアニメ産業の将来性
  (川崎 由紀夫 テレビ東京)
(招聘講師の一部変更もあります)