Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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超域思想特論 II 宇多 浩
選択  2単位
【超域文化専攻】 11-1-1500-0738-06

1. 授業の内容(Course Description)
 死という現象は、人間にとって単なる生物学的な事象ではなく、人間存在に関わる究極的な問題であり、それは多くの文化・時代において、さまざまな観念や思想を生み出してきた。それらの死に関する多様な観念や思想を読み解くことで、私たちは自らの死生観をより深化させることができるだろう。
 後期の講義では、文献の読解を通じて、異文化、とくに西洋における死生観、死についての思想を検討していくことにする。なお、使用する文献については、学生のレベルや要望に応じて、適宜柔軟に対応していくつもりである。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 文献の読解を通じて、日本とは異なる文化における死生観を理解すること。それによって、自らの死生観をより深めること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 レポート(約70%)と授業への参加度(約30%)によって評価する予定。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 P. Aries, 『Western Attitudes toward Death』, The Johns Hopkins University Press, 1975.
 J. Derrida, 『Aporias』, Stanford Univ. Pr., 1993.
 B. Schumacher, 『Death and Mortality in Contemporary Philosophy』, Cambridge Univ. Pr., 2010.
 など。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 授業までに、参考文献の該当箇所を読んでおくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業・レポートにおいては英文資料の読解が要求されるので、そのつもりで授業に臨むこと。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 講義内容の概要
【第2回】
 西洋における死生観の歴史
【第3回】
 古代における死の思想 (1) 『パイドン』におけるソクラテスの死
【第4回】
 古代における死の思想 (2) エピクロスの死生観
【第5回】
 『死と歴史』 (1) 西洋中世における死 ~ 飼いならされた死
【第6回】
 『死と歴史』 (2) 西洋近代におけるロマン主義的な死
【第7回】
 『死と歴史』 (3) 現代における「死のタブー化」
【第8回】
 各自の発表とディスカッション
【第9回】
 ハイデガーの思想 (1) 人間存在と死
【第10回】
 ハイデガーの思想 (2) 「自己の死」の経験不可能性
【第11回】
 ハイデガーの思想 (3) 他者の死がもつ意味
【第12回】
 ハイデガーの思想 (4) 死に向かう本来的な実存
【第13回】
 現代における死 (1) 現代医療における死
【第14回】
 現代における死 (2) 二人称の死と三人称の死
【第15回】
 講義のまとめ