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授業の内容(Course Description) |
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現在の日本は、世界の経済大国とはいえ、決して独立国の体をなしていない。特に米国に安全保障を委ねている現状では日本の経済も米国に同調せざるを得ず、独自の政策も取れない状況である。近代の世界情勢を学び、日本の今置かれている状況を理解し、将来の日本を見極めてゆくための基礎知識を学んでもらいた。そして、これらは後期の国際政治経済IIで学ぶ実社会で起きている事象を理解するためにも必要な知識と考えてください。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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近代における重要な事項を学び、世界の中での日本の現在置かれている立場を理解する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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期末論文試験の成績を50点、中間で授業についての理解度、感想文等を書いてもらう予定です。(4回の予定)これが20点(5点x4)、これに出席点30点(2点X15回)を加え、100点満点で60点以上を合格とします。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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特に指定図書は使いません。講義はパワーポイントにて行い、講義の都度、講義内容のレジメ(パワーポイントのコピー)を配布する予定です。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義内容の詳細は帝京大学八王子キャンパスのHP(WebCT)で公開します。予習、復習に活用してください。なお、この講義内容のコピーは期末試験の時には持ち込みが可能です。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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皆様は、ほとんどの方が日本という村社会で育っており、世界がどう動いているか理解していないのではないでしょうか。私の海外生活で得た知識を少しでも伝え、世界の中の日本の立場を認識していただき、将来の良き市民として、正しい判断が出来るための手助けが出来れば良いと考えています。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション:自己紹介、授業の内容、到達目標、進め方、成績評価等の説明。 【第2回】 明治維新: 日本が鎖国から世界との交流を始めた黎明期に日本の為政者は何を行ったか。列強の植民地主義に対抗し、いかに近代化を進めたかについて学ぶ。 【第3回】 日清、日露戦争、第一次世界大戦: 何故清国、ロシアと戦うことになったのか、そして第一次世界大戦での日本の立場を学ぶ。 【第4回】 第二次世界大戦への道: 何故経済規模がアメリカの1/10程度の日本がこの大国に挑む様な馬鹿げたことを行ったのか、ヘレン・ミアーズの「アメリカの鏡・日本」を紹介し、世界の情勢と日本の政治体制からその原因について考える。 【第5回】 第二次世界大戦後の日本: 敗戦後のGHQによる統治、東京裁判、旧日本国憲法の改正について学ぶ。 【第6回】 GHQによる日本統治の方向転換: ケナンによる対日政策変更により日本はアメリカの敵国から同盟国にと変えられてゆく。そしてサンフランシスコ平和条約、日米安全保障条約を締結することになる。 【第7回】 独立後の日本: 日ソ共同宣言によるソ連との国交回復、日米安保条約改定等日本の復興期における日本周辺事態(ベトナム戦争、文化大革命等)について学ぶ。 【第8回】 日本復興と中国の台頭: 中国の台頭により米国は台湾の中華民国政府から中華人民共和国を正式な中国代表と見なし、日本も追随してゆく過程を学ぶ。日米間では沖縄返還が実現する。 【第9回】 日米貿易戦争: 線維から始まり、自動車、半導体などの日本からの輸出がアメリカの産業に打撃を与えるということで、日本は輸出の自主規制を強いられるが、その協定を結ぶまでの経緯について学ぶ。 【第10回】 日本経済の後退: 日本のバブル経済が弾け、日本は長いリセッション(経済後退)が始まる。その経緯とその後の日本経済について考える。 【第11回】 米国と中国の関係について: 戦後の断絶期から米中の国交回復、そしてG2と呼ばれる世界をこの2国が主導してゆくという現在までの体制を考えてゆく。 【第12回】 日露、米露、中露関係について: 旧ソ連は分解されてしまったが、その中のロシアは経済規模は縮小されたが、依然として強大な核保有国であり、資源国でもあり日本、アメリカ、中国との関係は重要である。その関係を包括的に学ぶ。 【第13回】 日米安保体制の再定義: 安保条約、安保改正、日米防衛協力指針(ガイドライン)、日米安保共同宣言、新ガイドラインという経緯を経て、日米関係は緊密になってゆくが、その過程と今後の日米間について考えてゆく。 【第14回】 国際情勢: 日本をとりまく国際情勢について考えてゆく。 【第15回】 まとめ・期末論文試験 前期で学んできたテーマから課題を出し、1500字程度にまとめてもらう小論文試験です。
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