1. |
授業の内容(Course Description) |
|
ヨーロッパ=キリスト教はいつの時代も自らの内外に自分とは異なるものを見出し、それに対する態度表明を求められてきた。近世以後もヨーロッパはこのいわば「他者」との衝突および和解を繰り返し、そのことを通じて、現在われわれが目にしているようなヨーロッパの行動規範、すなわち倫理や法が徐々に形成ないし練磨されていった。そこで、本授業では、そうした近世ヨーロッパにとっての「他者」の個別的なケースとして、①「インディオ」、②「魔女」、そして③「中国人」を取り上げ、彼らに対するヨーロッパの態度を哲学史的・思想史的な観点から追跡する。こうした作業によって、ヨーロッパとその「他者」との、その衝突および和解に関する哲学的・思想的な議論枠組みが一般的に理解されるだろう。そして、以上3つの個別的ケースのいずれにおいても議論の核心として浮かび上がってくるのが、ヨーロッパにおける「自然法」の伝統である。したがって、最終的には、近世自然法論がどのようなものであったのか、その基本的な内容と方向性をも明らかにする。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
①「インディオ」、「魔女」、「中国人」といった個別的なケースの検討を通じて、近世ヨーロッパとその「他者」との衝突と和解に関する思想的な議論枠組みを理解する。 ②近世自然法論の基本的な内容と方向性を理解する。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
①授業の個別テーマに関わる宿題を3回、授業全体に関わるレポートを1回、それぞれ提出してもらう。この計4回の提出物の内容が成績評価の基本点となる。なお、宿題を1回でも未提出の場合、成績評価の対象外とする。むろん、期限を過ぎた宿題およびレポートは一切受け付けない。 ②以上の提出物とは別に、リアクションペーパーを提出してもらう。その提出状況に応じて、上記①の基本点にボーナス点を加える。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
教科書は特に指定しない。参考文献は授業中に適宜紹介する。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
上記3(成績評価方法)で述べたとおり、宿題を3回、レポートを1回課すので、それに必要な学習をすること。具体的な学習方法については授業中に説明する。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
講義は主に歴史研究の形で進められるが、授業で取り上げられた諸問題を、現代に生きる自分自身の問題として受け止めてほしい。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクション 【第2回】 インディオという他者(1) 【第3回】 インディオという他者(2) 【第4回】 インディオという他者(3) 【第5回】 ディスカッション 【第6回】 魔女という他者(1) 【第7回】 魔女という他者(2) 【第8回】 魔女という他者(3) 【第9回】 魔女という他者(4) 【第10回】 ディスカッション 【第11回】 中国人という他者(1) 【第12回】 中国人という他者(2) 【第13回】 中国人という他者(3) 【第14回】 ディスカッション 【第15回】 まとめ
|