Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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人間学基礎セミナー I 長綱 啓典
1群  2単位
【一群】 11-1-1500-2724-03

1. 授業の内容(Course Description)
 この授業においては、「人間学」ということで「人間の存在や活動を全体として理解しようとする試み」と解する。そのような試みとして、今年度は人間の知的な活動の基本構造を考察する。前期は、人間の知的な活動の素材となる「観念」について、その起源を問題とする。その際、この問題に関する代表的な二つの哲学的立場を取り上げる。一つはイギリス経験論の代表者とされるJ・ロックの説である。もう一つは大陸合理論の代表者とされるG・W・ライプニッツの説である。ロック『人間知性論』(英語原典)とライプニッツ『人間知性新論』(英訳)の重要個所を対比的に講読しながら、観念はもっぱら経験に由来するのか、それとも何らかの生得的な観念が認められるべきなのか、検討する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 観念の起源に関する問題について、経験論と合理論、両方の立場の基本的な主張を理解し、これを手掛かりにしながらこの問題に関して自分なりの哲学的見解を構築することができるようにする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験と出席点の合計で評価する。その際、出席点の方をより重視する。なお、「出席点」には、単に出席回数だけではなく、訳読の担当回数、レジュメの担当回数、そして授業中の発言や質問も含む。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 John Locke, 『An Essay concerning Human Understanding』, collated and annotated, with prolegomena, biographical, critical, and historical by Alexander Campbell Fraser. Dover 1959.
 G. W. Leibniz, 『New Essays on Human Understanding』, translated and edited by Peter Remnant and Jonathan Bennet. Cambridge 1997.
 その他については授業中に適宜紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 次回の授業で講読する箇所を予習しておくこと。また、担当者はレジュメを作成すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 哲学のテキストはけっして読みやすいものではない。しかし、粘り強く取り組むならば必ず一定の理解に達することは可能である。予習中に多くの疑問が生じるだろうが、それらの疑問を参加者全員で共有し、そして解消できるよう、授業では積極的に質問・発言してほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 ロック『人間知性論』講読(1)
【第3回】
 ロック『人間知性論』講読(2)
【第4回】
 ロック『人間知性論』講読(3)
【第5回】
 ロック『人間知性論』講読(4)
【第6回】
 ロック『人間知性論』講読(5)
【第7回】
 ロック『人間知性論』講読(6)
【第8回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(1)
【第9回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(2)
【第10回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(3)
【第11回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(4)
【第12回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(5)
【第13回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(6)
【第14回】
 ライプニッツ『人間知性新論』講読(7)
【第15回】
 まとめ・期末試験