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授業の内容(Course Description) |
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17世紀イギリスの哲学者トマス・ホッブズの代表的著作、『市民論』と『リヴァイアサン』のうち、人間論に関わる箇所を講読する。より具体的には、ホッブズの政治思想の中核をなす部分である、「自然状態」から「コモン・ウェルス」(国家)への移行に関する箇所が検討の対象となる。その際、ホッブズが用いている諸概念、例えば上述の「自然状態」や「コモン・ウェルス」のほか、「自然権」、「自然法」、「契約」、「代表」といった概念の用法をしっかり理解するように努める。そのことによって、ホッブズの人間論の基本的主張が理解されるはずである。また、ホッブズに関する先行研究を多数参照し、そのことによってホッブズの人間論の問題点を明らかにすることも試みる。したがって、本授業では、毎回担当者1名を決めて『市民論』ないし『リヴァイアサン』の講読を担当してもらうが、それに加えてもう一人別の担当者を立て、ホッブズに関する先行研究について報告してもらう。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①ホッブズが使用している基本的な諸概念の用法を理解する。 ②ホッブズの人間論の基本的な主張を理解する。 ③先行研究を手掛かりに、ホッブズの人間論の問題点を明らかにする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①出席、②講読の担当、③先行研究報告の担当、④授業中の質問・発言。以上4点を総合した平常点によって成績評価をする。また、必要に応じて学期末にレポートを課す。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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ホッブズ著、本田裕志訳、『市民論』、京都大学学術出版会、2008年。 ホッブズ著、水田洋訳、『リヴァイアサン』(1)、岩波文庫、2010年(第41刷)。 その他については授業中に適宜紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講読担当者および先行研究報告担当者は各自レジュメを作成すること。 担当者以外の受講者も次回の授業で扱う予定の箇所を熟読し、そこに現れる用語の意味を調べ、その箇所の要約ができるようにしておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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哲学のテキストはけっして読みやすいものではない。しかし、粘り強く取り組むならば必ず一定の理解に達することは可能である。予習中に多くの疑問が生じるだろうが、それらの疑問を参加者全員で共有し、そして解消できるよう、授業では積極的に質問・発言してほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 【第2回】 ホッブズ『市民論』講読(1) 【第3回】 ホッブズ『市民論』講読(2) 【第4回】 ホッブズ『市民論』講読(3) 【第5回】 ホッブズ『市民論』講読(4) 【第6回】 ホッブズ『市民論』講読(5) 【第7回】 ホッブズ『市民論』講読(6) 【第8回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(1) 【第9回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(2) 【第10回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(3) 【第11回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(4) 【第12回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(5) 【第13回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(6) 【第14回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(7) 【第15回】 まとめ
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