Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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一般教養セミナー I 土持 ゲーリー 法一
1群  2単位
【一群】 11-1-1500-2740-01

1. 授業の内容(Course Description)
 大学における一般教養とは何か。高校までの授業とどのように違うのか。大学では、「生徒」から「学生」へと名称が変わるだけでない。大学では、「学びの転換」が必要である。この授業では、「大学とは何か」「大学教育とは何か」について議論する。戦後日本の高等教育は、アメリカ型をモデルにしたもので、四年制大学、短期大学、大学院、専門職大学院(プロフェッショナル・スクール)のすべてがアメリカ型である。アメリカ占領下(1945年~1952年)に現在の学校制度(六・三・三・四制)に改革された。たとえば、シラバス、学生の授業評価、AO(アドミッションズ・オフィス)入試、オフィスアワー、セメスター制、GPA制など、すべてがアメリカから導入されたもので、日本の高等教育は制度的にも、形式的にもアメリカと酷似している。しかし、両国の「教育と研究」には顕著な違いがある。その違いを決定的するのが、アメリカの大学における一般教養(「リベラルアーツ教育」)である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 グループ活動を通して、リベラルアーツ教育が研究に与える影響について学び、日米大学の比較を通して、両国の「教育と研究」の違いを理解でき、ラーニング・ポートフォリオ(学習実践記録)を書けるようにする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ラーニング・ポートフォリオと出席(70%)との筆記試験(30%)によって総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストとして、土持ゲーリー法一『ラーニング・ポートフォリオ~学習改善の秘訣』(東信堂、2009年)を使用する。参考文献として、土持ゲーリー法一著『ティーチング・ポートフォリオ~授業改善の秘訣』(東信堂、2010年)および同『戦後日本の高等教育改革政策―「教養教育」の構築』(玉川大学出版部、2006年)を使用する。その他の必要な参考文献はMELICの「指定図書」とする。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 学生は、MELICの「指定図書」コーナーの指示された図書を事前に必ず読んで、図書カウンターで「指定図書課題・リフレクション(振り返り)シート」にスタンプを押してもらって授業に出席する。各単元の「準備学習」については、授業で配付されるシラバスに詳細に明記されている。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この授業は、「ソクラテス・メソッド」にもとづき「予習(準備学習)しないで授業を受けてはならない」を原則とする。準備学習のためにMELICの「指定図書」を必ず読んでから授業に参加する。授業はすべてグループ討論を中心とする。履修学生は、15回の学習過程を省察(振り返り)して、ラーニング・ポートフォリオを作成する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション:大学教育とは何か
【第2回】
 アメリカの大学における一般教養の原点「リベラルアーツ・カレッジ」について
【第3回】
 日米の授業形態の違い NHKビデオ「アメリカのベストティーチャーによる中学校『社会科』の授業」を見て討論
【第4回】
 日米大学の比較(その1)高校と大学の接続および入学者選抜方法について
【第5回】
 日米大学の比較(その2)カリキュラムについて
【第6回】
 日米大学の比較(その3)大学教授職について
【第7回】
 日米大学の比較(その4)大学の授業改善/ファカルティ・デベロップメント(FD)について
【第8回】
 日米大学の比較(その5)シラバスと図書館の役割について
【第9回】
 日米大学の比較(その6)ラーニング・ポートフォリオについて
【第10回】
 日米大学の比較(その7)社会人基礎力と教養教育について
【第11回】
 日米短期大学の比較―コミュニティ・カレッジと短期大学について
【第12回】
 日米大学院の比較(その1)研究と教育の関係について
【第13回】
 日米大学院の比較(その2)専門職大学院:医者および弁護士の養成について
【第14回】
 NHKビデオ「ハーバード大学・米国エリートはこう育てられる」を見て討論
【第15回】
 授業の総括