1. |
授業の内容(Course Description) |
|
化学と生物学という広い学問分野を対象とする生化学(生物化学とも呼ばれる)は、生体内の様々な現象を化学で説明する学問であり、生化学の進歩は医学、薬学、農学や栄養学など様々な生命科学の分野に貢献し、生化学は我々の日常生活に密接に関わっている。このような現状をふまえ授業では、化学の基礎を簡潔に述べた後、生化学において重要な基本物質である「タンパク質」、「糖質」、「脂質」、および「核酸」の構造と生体内におけるこれらの物質の役割について、ごく最近のトピックスも含めて講義する。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
「タンパク質」、「糖質」、「脂質」、および「核酸」の中で、日常生活に関係の深いものを例にとりあげながら講義するので、この講義を通じて生化学の基礎的な知識が得られることを希望する。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
学期末の定期試験(100%)で評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
教科書:『生命と環境の化学』 三浦 洋四郎 著(八千代出版、2007年) 参考書:『生化学』 コーン・スタンプ 著(田宮 信雄 他訳)(東京化学同人、2000年) 『セレンディピティー』 ロバーツ 著(安藤 喬志 訳)(化学同人、1993年)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
指定した教科書の次回授業部分を、事前に読んでおくことが望ましい。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
化学または生命科学など自然科学に少しでも興味のある学生の聴講を希望する。日常生活に関係の深い生体物質を例にあげながらわかりやすく講義するので、高校で化学を履修しなかった学生の聴講も歓迎する。授業に出席しないと期末試験の合格は難しいので、毎回授業に出席することが肝要である。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 生化学のイントロダクション。化学と生命の関わりの一例(アルコールの生化学およびアルコールの健康への影響)を紹介する。お酒に強い体質か、または弱い体質かを判断するパッチテストを希望者に実施し、学生諸君の一気飲みの防止に役立てる。 【第2回】 化学の基礎(1) ビッグバンと元素、原子および分子の誕生 【第3回】 化学の基礎(2) 元素の周期律、化学結合の種類と分子の構造 【第4回】 化学の基礎(3) 酸、塩基およびpH、化学反応とエネルギー 【第5回】 化学の基礎(4) 無機化合物と有機化合物、右手と左手の世界(光学異性体) 【第6回】 身近にあるタンパク質の種類、構造および機能 【第7回】 酵素とは何か、ヘモグロビン、異常ヘモグロビンと病態、鎌状赤血球貧血とマラリア 【第8回】 免疫グロブリンの構造と機能、ウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病)とプリオン 【第9回】 糖質の種類、構造および機能、糖の甘さと人工甘味料 【第10回】 食物繊維の種類および健康・疾病との関連、糖質とエネルギー、血液型と糖質 【第11回】 脂質の種類、構造および機能、高度不飽和脂肪酸(EPA、DHA)の栄養生理機能 【第12回】 脂質の過酸化、脂質とエネルギー、脂質の体内輸送、リポタンパク質 【第13回】 人工油脂、善玉・悪玉コレステロール、生体膜の構造 【第14回】 核酸の種類、構造および機能、遺伝子およびゲノム 【第15回】 タンパク質の生合成、原始遺伝子とリボザイム、ウイルスの種類と構造、HIVとエイズ
|