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授業の内容(Course Description) |
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今日、ヨーロッパに旅することはごく普通のことになっている。そのさい、現地の美術館を訪れたり、教会建築を見学することになる。ところが、特に近代以前の美術作品にはなかなか理解しがたい部分が多く、漠然とした印象で終ってしまいがちである。その理由は、特に近代以前の美術作品の理解には、ギリシア・ローマ神話やキリスト教、寓意(アレゴリー)や図像学(イコノロジー)、付属物(アトリビュート)等についての知識が前提となっているからである。そこで、本講義では、ヨーロッパ美術の入門者を対象に、古代ギリシア・ローマからルネサンスに至る時代の代表的美術作品を取りあげ、美術様式の変遷史を縦軸に、ギリシア・ローマ神話、キリスト教、寓意、図像学、付属物等を横軸に据えて、ビデオ、DVD等を用いてできるだけ実際の作品にそくして論じていきたいと思う。特に異文化交流という観点に配慮していきたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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欧米の各時代の代表的な芸術作品を通じて、欧米文化についての一つの確固としたイメージをつかんでもらうことが目標です。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席状況50%とレポート50%の割合で評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しない。必要に応じてプリントを配布し、その中で参考文献を指示する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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美術作品に実際に触れることが特に重要なので、積極的に美術館を訪れることを希望します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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特にヨーロッパの歴史とキリスト教についての予備知識が望まれる。各講義は内容的につながっているので、履修者には毎回の出席を希望したい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション。 【第2回】 古代ギリシアの美術(パルテノン神殿と彫刻)。 【第3回】 アレクサンダー大王の東方遠征とガンダーラでの仏像の誕生。 【第4回】 古代ローマの美術 (ポンペイの壁画とパンテオン、コロセウム)。 【第5回】 ビザンティン美術(ラヴェンナのモザイクとイコン)。聖山アトス。 【第6回】 ロマネスク美術(ヴェズレーの聖堂とシトー派修道院)。ロマネスクの柱頭について。 【第7回】 ゴシック美術(イル・ド・フランスの大聖堂とストラースブール、ケルン大聖堂)。 【第8回】 シャルトル大聖堂のステンドグラス。 【第9回】 中世の写本装飾(『ケルズの書』から『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』まで)。 【第10回】~【第12回】 イタリアのルネサンス(ジョットとマサッチョからダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロまで。ブルネレスキとサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)。 【第13回】 北方のルネサンス(デューラーとブリューゲル)。異色の画家ボス。 【第14回】 マニエリスム(ポントルモとパルミジャニーノ)。 【第15回】 イベリア半島(コルドバ、グラナダ)とシチリア島(パレルモ)におけるイスラム美術の影響
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