Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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マーケティング特講 I 樫原 正勝
選択  2単位
【経営学専攻】 11-1-1120-1841-09

1. 授業の内容(Course Description)
 本講義は、マーケティング・マネジメントを世界の第一人者であるコトラーの著作を通じて学ぶことを目的としている。もう一つの目的は私達が日常普通に目にし、経験しているマーケティングの営みの背後に、どのような原理が働いているかを見つける視点から、マーケティングを理解する力を養うことを目的としている。
 私達が当然のことのように思っている「同じ製品なら価格は誰に対しても同じになる」というのは本当だろうか。実は、価格が誰に対しても同じとなっている「定価」は、大量生産―大量販売―大量消費の体制の産物であって、歴史的には今からたった百数十年前ぐらいから百貨店などの販売政策によって出現して来たものに過ぎない。交換経済の歴史にあって、価格は本来「お客さん!まけとくよ」「もっと安くならない?」といった交渉によって個々人がばらばらに定めてきたものなのである。では、なぜ定価といったものが出現したのか。それにはちゃんとした原理的理由がある。このような視点をもって原理を探る形でコトラーの著作を紐解き、マーケティングを理解することをめざす講義内容となっている。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 マーケティングの諸概念を理解できるようになること、および、市場で展開されている諸現象を原理的、理論的に説明することができるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 平常点および課題リポート点。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 コトラー&アームストロング、恩蔵直人監修、月谷真紀訳『コトラーのマーケティング入門(第4版)』(ピアソン・エデュケーション、2003年)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 マーケティング関係のできるだけ多くの文献をノートを取りながら読むこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 マーケティングへの興味は、今日の企業経営にあって重要視されている役立つ知識の獲得という動機によること多いと思うが、大学院で学ぶべきことは理論や原理的知識であることを忘れないでほしい。たえず「WHY(なぜ)」の問いを発してテキストに語られていることの根拠や理由を求める姿勢を持って臨んでほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 マーケティングの理解とマーケティング・マネジメント・プロセス(1)
【第3回】
 マーケティングの理解とマーケティング・マネジメント・プロセス(2)
【第4回】
 戦略計画とマーケティング・プロセス(1)
【第5回】
 戦略計画とマーケティング・プロセス(2)
【第6回】
 マーケティング環境
【第7回】
 マーケティング・リサーチと情報システム
【第8回】
 消費者市場と消費者の購買行動(1)
【第9回】
 消費者市場と消費者の購買行動(2)
【第10回】
 生産財市場と企業の購買行動
【第11回】
 市場の細分化、標的市場の設定、競争優位に立つためのポジショニング(1)
【第12回】
 市場の細分化、標的市場の設定、競争優位に立つためのポジショニング(2)
【第13回】
 製品戦略(1)
【第14回】
 製品戦略(2)
【第15回】
 新製品開発と製品のライフサイクル戦略