Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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ピア・エデュケーション II 井上 史子
1群  2単位
【一群】 11-1-9999-3064-02

1. 授業の内容(Course Description)
 ピア・リーダーシップ・プログラムは、初年次支援プログラムの一環としてアメリカや日本の大学において増加傾向にある。「ピア・リーダーシップ」とは、学生に対して教育サービスを提供するために選ばれ、そして訓練された学生(ピア・サポーター)のことであり、そのような学生を育成する訓練や研修には、大学の歴史、理念・目的、基本的な青年期発達の理論および教授法に関する知識だけでなく、基盤となるコミュニケーション能力の育成が不可欠である。
 「ピア・エデュケーションⅡ」では、コミュニケーション能力を育成するさまざまなトレーニングを、グループワークを中心に行う。また、他大学におけるピア・サポートの実践事例や成果なども併せて紹介し、実践意欲の向上も図る。
 授業は、演習も行うことから最大50名を限度とする。大学教育やピア・サポートに関心があり、実際に実践する意欲のある学生の受講を期待する。受講者は「ピア・エデュケーションⅠ」を受講していることが望ましい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 (知識・理解)
  1.ピア・エデュケーションの理念や目的、国内外における状況について説明することができる。
  2.前後期青年期の特徴や最近の生徒・学生の思考・行動様式について説明することができる。
   (関心・意欲・態度)
  1.ピア・エデュケーションに関心を持ち、自ら学ぶ態度を持つ。
  2.授業を通して得た経験を、インターンシップやボランティアを初め、ピア・サポートやサービス・ラーニングに生かそうとする意欲を持つ。
 (技能・表現)
  1.適切なコミュニケーションをとるための技術を持ち、必要な場面で活用することができる。
  2.集団等を指導する際に有効な指導方略、指導方術を修得し、適切かつ効果的に利用することができる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ・レポート試験  40%
  学習記録(ポートフォリオ)、および自己の学びについて省察したレポートの提出
 ・平常点評価   60%
  各回の授業内容についての小レポートおよび課題を課す。
 ※小レポートの書き方については、単なる授業の感想ではなく、授業に主体的に参加していなければ答えられない内容とします。この点については第1回目の授業で詳しく説明します。学習ポートフォリオは、第2回の授業で作成についての説明を行います。
 ※毎回、出席をとります。3分の2以上の欠席(公欠を除く)があった場合、期末レポート提出の資格を失うこととします。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:『必携!相互理解を深めるコミュニケーション実践学 改訂版』 林德治・沖裕貴編著 ぎょうせい 9784324090053 C3036
 ※テキストがない場合、授業に参加することが困難となるので、必ず購入してください。その他必要な資料は適宜配布します。
 参考文献:
 『階層化日本と教育危機』 苅谷剛彦 有心堂 4-8420-8525 C3037
 『大衆教育社会のゆくえ』 苅谷剛彦 中公新書 4-12-101249-6 C1237
 『不平等社会日本』 佐藤俊樹 中公新書 4-12-101537-1 C1236
 『下流社会』 三浦展 光文社新書 4-334-03321-0 C0236
 『就職がこわい』 香山リカ 講談社 4-06-212269 C0095
 『他人を見下す若者たち』 速水敏彦 講談社現代新書 4-06-149827-4 C0211
 『「学び」から逃走する子どもたち』 佐藤学 岩波ブックレットNo.524 4-00-009224-3 C0336
 『格差時代を生き抜く教育』 寺脇研 KTC中央出版 4-87758-506-0 C0037
 『格差社会 何が問題なのか』 橘木俊詔 岩波新書 4-00-431033-4 C0233
 『学力を育てる』 志水宏吉 岩波新書 4-00-430978-6 C0237
 『「学力低下」の実態』 苅谷剛彦・志水宏吉他 岩波ブックレットNo.578 4-00-009278-2 C0336
 各種統計資料や指導、評価方法に関しては、国立教育政策研究所
  (http://www.nier.go.jp/homepage/kyoutsuu/index.html)
 各種教育統計に関しては、(財)日本青少年研究所(http://www1.odn.ne.jp/youth-study/index.htm)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ・学習記録(ポートフォリオ)の作成
  -毎回の授業後に、自己の学びについて振り返り、記録する。
 ・授業で学んだ知識や経験の実際の生活での活用
  -これらから学んだことをもとに自己の成長過程について省察し、記録する。
 ・日頃から教育に関する情報を積極的に収集する。
 なお、トレーニングの順番は、授業の進行状況により前後する場合があります。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ・授業では、受講者に実際にピア・サポートを体験してもらいます。したがって授業前後での打ち合わせや反省会、自宅での個人学習など、授業前後においても担当教員との話し合いが必要となるので、それを実際に行うだけの意欲と積極性を持って臨んでください。また、コミュニケーションに関する演習では、毎回異なるグループごとに演習を行います。初めて出会う人たちとさまざまなコミュニケーション・トレーニングを行いますが、恥かしがらず、積極的、主体的に取り組んでください。これらは、ピア・サポートのみならず、教職やボランティア等多くの役割や仕事に共通して求められる技術であり、自分を知り、自分を向上させるために必要なトレーニングです。本授業を受講する学生には、教職志望者やさまざまなピア・サポートを志望する学生を想定しているので積極的に参加してください。なお、受講者が超過した場合には受講者調整を行う予定です。
 ・遅刻はやめてください。演習が始まるとグループ分けをしていますので、途中参加ができません。また、私語や飲食は厳に慎んでください。これは言うまでもなく、最低限の授業におけるマナーです。受講に際してとくに対応が必要な場合(病気や怪我、障害など)は遠慮なく申し出てください。出来る限り分かりやすく、興味を引く授業を心がけます。授業に対する要望があれば小レポートに書いてください。できることであれば、次回から配慮します。
 ・小レポートの提出や授業資料の閲覧、連絡等についてはWebCT(ウェブコースツール)を利用します。WebCTが利用できるよう学内の情報アクセスのための手続きをしておくことや、学内パソコンの利用については各自の責任で行って下さい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション①
 【キーワード】自己紹介、授業の到達目標、進め方、成績評価方法等、各回の授業の概要
【第2回】
 イントロダクション②
 【キーワード】学習記録(ポートフォリオ)の進め方、発表および演習担当者の決定
【第3回】
 現代の若者像
 【キーワード】自分たちの世代を知る、思春期・青年期の発達と大学生活(発表・ディスカッション)
【第4回】
 大学におけるピア・リーダーシップ・プログラム
 【キーワード】ピア・サポートに必要な力(発表・ディスカッション)
【第5回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ1
 【キーワード】受容的に聴く力-イヌバラ法-
【第6回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ2
 【キーワード】自分も相手も大切にした対応を行う力-アサーション-
【第7回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ3
 【キーワード】自分を魅力的に見せる力-無言面接-
【第8回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ4
 【キーワード】議論に負けない力-ディベート-
【第9回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ5
 【キーワード】相手を意欲的にする力-ほめ言葉-
【第10回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ6
 【キーワード】問題を明快に分析する力-問題分析(個人)-
【第11回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ7
 【キーワード】問題を明快に分析する力-問題分析(グループ)-
【第12回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ8
 【キーワード】解決策を提案する力-目的分析(グループ①)-
【第13回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ9
 【キーワード】解決策を提案する力-目的分析(グループ②)-
【第14回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ10
 【キーワード】発展演習-マイクロプレゼンテーション①-
【第15回】
 コミュニケーションの手法を学ぶ11
 【キーワード】発展演習-マイクロプレゼンテーション②-