Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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社会環境論 II 澤山 弘
選択  2単位
【経営】 11-1-1120-3067-08

1. 授業の内容(Course Description)
 春期授業で概説したとおり、地球温暖化対策は、解決が求められる喫緊の課題ではありますが、同時に実に様々なビジネスチャンスも提供しており、政府の「新成長戦略」では、「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」として、その筆頭に掲げられています。
 「環境ビジネス」の領域は幅広く、先端的な技術開発が求められている分野もありますが、私たちの身近な生活に密着した分野での起業機会も少なくありません。秋期授業では、環境ビジネスのそれぞれの分野について、技術的な動向や市場環境などについて概説するとともに、実際に取り組んでいる企業や事業体の事例を、様々な企業実査をもとに具体的に紹介していきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 この授業では、地球環境問題の解決を目指す環境ビジネスについて、様々な取り組みの実際を理解することを目標としてします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席:50点、毎回、質問票を配布しますので、わからないことや意見などがあったらぜひ書き込んでください。次の授業で説明します。積極的な質問や発言を高く評価します。
 試験:50点、授業に継続して出席していれば回答できるような設問です。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 今現在、世界と日本で起きていることを逐次説明していくために、毎回、図表を中心とした資料を配布します。講義の進展に合わせ、関連する分野について、参考文献や自著(インターネットで検索可能)を適宜紹介していきます。
 対象によっては、現場のスライド写真や、企業パンフレット、製品実物なども紹介します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 環境ビジネスに関する新聞記事は毎日のように紙面を賑わしています。テレビの報道なども含め、できるだけ見るようにしてください。この授業を通じて、だんだん理解が深まってくるはずです。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 環境ビジネスは、これから大きく成長していきます。求められる分野は技術系だけではありませんので、皆さんの将来の職業の選択肢の一つとして捉えることも可能だと思います。自らの問題として、どのように捉えていったらよいのか考えていってください。
 なお、秋期授業は、春期授業で概説する地球環境問題に関するマクロ的な理解を前提にしていますので、必ずⅠとⅡを通して受講してください。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 バイオマス資源の利活用 ―バイオマスが「カーボンニュートラル」な理由、
 もっと使われてよい木質バイオマス燃料(ペレットストーブなど)
【第2回】
 「バイオマスタウン」構想 ―全国300市町村で実現、
 食品廃棄物などをメタン発酵させて発電や熱に利用、飼料や肥料にも
【第3回】
 バイオ燃料(1)
  アメリカとブラジルで急成長したバイオエタノール、非食用作物からの製造技術の開発競争
【第4回】
 バイオ燃料(2)
  EUで伸びるバイオディーゼル、日本でも廃食油からリサイクル、菜の花プロジェクト
【第5回】
 自然エネルギーの利用拡大(1) 自然エネルギーの王者:風力発電
【第6回】
 自然エネルギーの利用拡大(2) 豊富な水力を利用できる小水力発電、地熱発電
【第7回】
 自然エネルギーの利用拡大(3) しのぎを削る太陽光発電の開発競争
【第8回】
 省エネ住宅に求められるもの(1) 高気密・高断熱、「住宅エコポイント」制度で人気に
【第9回】
 省エネ住宅に求められるもの(2) エネルギー効率が太陽光の数倍に達する太陽熱の利用
【第10回】
 省エネ住宅に求められるもの(3) 年中15℃前後の地中熱の利用とヒートポンプ、雪氷冷熱利用
【第11回】
 電気自動車(EV) ―カギ握る蓄電池、ハイブリッドEV、スマートグリッド
【第12回】
 家庭用燃料電池(水素電池)と燃料電池車
【第13回】
 「循環型社会形成」とリサイクル ―3R、廃棄物の利活用、リユースショップなど
【第14回】
 環境保全、水資源保全、汚染浄化、屋上・壁面緑化、エコツーリズム、有機農業など
【第15回】
 後期のまとめ