Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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税法A 上條 克彦
選択  2単位
【法律】 11-1-1210-3072-05

1. 授業の内容(Course Description)
 税金とは何でしょうか。ロビンソンクルーソーのような孤島生活ならともかくとして、ヒトが二人以上集まって生活すれば、必ず「税金」が生まれます。たとえ旧石器時代であっても、貴重な「火」を消さないようにする「当番」は必要でしょう。「税金」はこの「火の当番」にあたります。近代社会の「税金」は、もちろん「当番=役務」でなく「カネ」で負担し、また、その額や負担者は、社会の「合意」すなわち「法律」で決めます。
 皆さんが何らかの共同体に身をおき生活を営む限り、税金を避けてとおることはできません。
 「税法A」は、「税金」について基礎レベルからできるだけわかりやすく説明し、皆さんも主体的に参加しみずからその意義内容について深く考えてもらうことにより、基礎知識をマスターし、将来の職業設計(企業の法務・経理担当、税理士や会計士など)に役立てていただきたいと思います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国税庁の職員研修機関「税務大学校」で教えている所得税の基礎知識を修得します。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 成績評価は、授業への出席と授業中の小テスト及びレポートの提出で行います。
 授業への出席と小テスト:50%、レポート:50%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:川田剛『租税法入門(六訂版)』(財団法人大蔵財務協会)
 参考文献:①必要なプリントを適宜配付します。②国税庁の職員研修機関「税務大学校」で使用されているテキスト:税大校本「所得税法」、「税法入門」(国税庁ホームページで公開されています。)を適宜参照します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 どちらかといえば予習より復習に重点をおいてください。記憶を定着させるため、講義で学んだことは、当日夜と翌日の少なくとも2回、それぞれわずかな時間(10分くらいでもよい)でも、必ず思い出しましょう。
 また、授業に主体的に参加できるように、できれば予習し、テキストをざっとみてそれなりの自分の考え方を用意しておいてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 「一灯を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。ただただ一灯を頼め。」
 江戸末期の儒学者、佐藤一斎の「言志四録」にある言葉です。「一灯」とは学問のことです。
 どんなに困難な状況にあっても、方向を決めてコツコツと積み重ねれば必ず道は開けます。じっくりと時間をかけてしっかり勉強しましょう。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 税法の意義、目的、しくみ、分類、租税原則
【第2回】
 税法の体系、租税法律主義
【第3回】
 所得税法①(所得税の仕組み、非課税所得)
【第4回】
 所得税法②(所得の種類)
【第5回】
 所得税法③(各種所得の計算)
【第6回】
 所得税法④(総合課税、分離課税、源泉徴収)
【第7回】
 所得税法⑤(収入金額)
【第8回】
 所得税法⑥(必要経費)
【第9回】
 所得税法⑦(損益通算、繰越控除)
【第10回】
 所得税法⑧(所得控除)
【第11回】
 所得税法⑨(税額計算、税額控除)
【第12回】
 所得税法⑩(源泉徴収)
【第13回】
 所得税法⑪(申告・納付・還付、青色申告)
【第14回】
 所得税法⑫(更正・決定)
【第15回】
 納税義務の成立・確定・消滅