Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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証券市場論 I 村上 哲也
選択  2単位
【経営】 11-1-1110-0702-05A

1. 授業の内容(Course Description)
 日本は今、国内外の急速な社会変化の最中にあります。国内では「少子高齢化社会の到来」と「安心・安全神話の崩壊」、海外からは「グローバリゼーションの進展」と「地球環境の悪化」です。日本社会が抱えるさまざまな問題を突き詰めていくと、必ずこれらの厳しい現実に向かい合うことになります。個々の企業が事業活動を進めていく上でも、そのことは例外ではありません。
 経済活動の担い手である企業社会で求められているのは、そうした問題に答えを見出せるような思考力を持った人材です。そのためには、市場経済の中核である証券市場が、グローバリゼーションとどのような関わりを持つているのか?どのような課題があるのか?その対策として何が考えられるのか?そういったことを学習していきます。
 具体的には、「グローバリゼーション」の本質とは何か?それによってどのような問題が起こるのか?米国内のサブプライムローン問題が、なぜ世界金融危機に結びついてしまったのか?「食料危機」と証券市場の関係は?「排出権取引」は環境問題解決の切り札なのか?「民主主義や人権」は市場と何の関係があるのか?各企業は、こうした課題にどう対応すべきなのか?こういったことを授業を通じ、学生自身が調べることで、必要とされるスキルを身につけることを目指します。
 教材として、国内外のドキュメンタリー番組を収録したビデオを数多く活用しながら、講義を進めていきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 グローバリゼーションの本質やそれにともなう様々な課題や証券市場との関わりをを理解・認識できるようになること。また、学生自身で調べ、課題を共有、解決策を考えられるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 (1)レポート提出(期中に数回実施)の合計70%
   ※優秀なレポートは発表します。
 (2)授業出席(15回)の合計30%
   ※最低10回以上出席すること。6回以上欠席の場合、理由の如何を問わず、自動的に履修不足とします。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『証券から見た世界』『誰のためのWTOか?』『パワーシフト』『フラット化する世界』『フリー』『プロフェッショナルの条件』『マンキュー経済学』『知価革命』『豊かな国の選択』『日はまた昇る』『ローマ人の物語』『メガトレンド』『海の都の物語』『ローマ亡き後の地中海世界』
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ・各授業終了後、レポート提出を数多く求められます。授業計画に掲載されている内容につき、普段からネットなどで情報を収集しておくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日本経済新聞を毎日購読すること。日経ヴェリタス、プレジデント、日経ビジネス、ダイヤモンドなどの経済誌を読む習慣を身につけること。また、TV東京の「WBS]「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」やNHKBSの「きょうの世界」その他NHKの海外ドキュメンタリー番組などを見る習慣を身につけること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】ガイダンス
【第2回】市場の本質
【第3回】証券化とRMBS/CDS
【第4回】モラルハザードとレバレッジ
【第5回】市場経済の請負人_アメリカの投資銀行
【第6回】中央銀行の役割_FRBと金融政策
【第7回】少子高齢化社会と年金基金の運用_年金と株式
【第8回】金融工学とリスク_市場と科学者
【第9回】政府債務と証券市場_日本の財政赤字
【第10回】基軸通貨とドル_ドルの黄昏
【第11回】証券市場と農業経営_世界食糧危機(1)
【第12回】食糧生産と遺伝子組換食品_世界食糧危機(2)
【第13回】農地争奪戦_市場と農地
【第14回】飽食と遺棄_日本農業の矛盾
【第15回】リーマンショック以後の世界