Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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日本と国際経済 II 杉浦 史和
選択  2単位
【経営】 11-1-1110-1576-14A

1. 授業の内容(Course Description)
 世界経済は、ベルリンの壁崩壊を契機として1990年以降、グローバリゼーションが進展し、大きく様変わりしてきています。しかし、それを支えている国際的な枠組みは、第二次大戦後に作られたブレトン=ウッズ体制を基本としており、多くの矛盾やゆがみが生じています。
 この授業では、そうしたゆがみや軋轢の実例として、旧社会主義諸国の体制移行プロセスを取り上げ、世界経済の趨勢を規定するグローバリゼーションに対する理解を深めます。とりわけ、ロシアや中東欧の国々とIMFや世界銀行といった国際金融機関との関係、EUの東方拡大プロセス、およびFDIの流入や多国籍企業が果たしてきた役割に焦点を当てます。
 混迷を極める世界経済の動きのなかで、日本の針路に関心を持つすべての学生を対象にしています。中でもグローバリゼーションや、体制移行、国際経済関係に興味のある諸君に最適です。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 現在の国際経済の理解に欠かせない、国際金融機関と多国籍企業の役割を理解できること。国際金融機関の融資の仕組みや、多国籍企業による資本投下(いわゆる外国直接投資)が資本受入国の経済発展に与える影響を理解できること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト60点、Web CTを通じた自宅での課題学習の提出40点。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:池本、岩崎、杉浦編著『グローバリゼーションと体制移行の経済学』文眞堂
 参考文献:二村・金野・杉浦・大坪『ロシア経済10年の軌跡』ミネルヴァ書房
      西村編『ロシア・東欧経済:市場経済移行の到達点』日本国際問題研究所
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 Web CTを利用して、毎回、簡単なクイズを出題します。これに答えることで、授業内容の定着を図り、また授業への出席を促します。Web CTには関連資料なども記すので、これらを利用して、積極的に勉強していって欲しい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この講義は教科書、パワーポイントを利用したプレゼンテーションを中心に進めます。学生諸君は、教科書を必ず準備し、できるだけ前列に座るようにして下さい。プレゼンテーションの電子データはWebからダウンロード可能な形で提供します。また、新聞や雑誌などの関連記事を読んでおいてください。質問を歓迎します。
 教室内では、脱帽、携帯電話や電子機器の使用禁止、私語を慎むなど、他の受講生の迷惑にならないだけでなく、積極的に授業に参加して、学習効果が上がるよう心がけて下さい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業案内・オリエンテーション
【第2回】
 グローバリゼーション再考
【第3回】
 体制移行プロセスとは何か
【第4回】
 体制移行と貿易の自由化、WTO加盟問題
【第5回】
 体制移行と環境問題
【第6回】
 体制移行とEUの東方拡大
【第7回】
 外国資本の役割と経済発展・体制移行
【第8回】
 外国直接投資と国家の役割(1)
【第9回】
 外国直接投資と国家の役割(2)
【第10回】
 外国直接投資と企業リストラ(1)
【第11回】
 外国直接投資と企業リストラ(2)
【第12回】
 エネルギー問題とロシア
【第13回】
 エネルギー問題と中央アジア
【第14回】
 グローバリゼーションに翻弄される小国
【第15回】
 まとめ・期末試験