Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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ロシア・極東経済 II 西村 可明
選択  2単位
【経営】 11-1-1110-1861-08A

1. 授業の内容(Course Description)
 昨年11月はじめ、ロシアのメドベージェフ大統領が、我が国の北方領土国後島を訪問し、日本政府が抗議する事件が発生しました。我が国とロシアとは領土問題をかかえる間柄ですが、一方でトヨタ自動車をはじめ我が国の大企業が対ロ進出を積極的に行っています。またロシアからの石油や天然ガスの輸入も急増しつつあります。
 ロシアは、日本にとって市場として魅力があるだけでなく、資源供給国としても重要になりつつあるようです。このような隣国ロシアにおける政治経済の動向は、我が国にとってもきわめて重要です。
 それでは、ロシアの経済は、現在どんな状況にあるのでしょうか?そしてそれは、将来どんな経済になるのでしょうか?世界経済の中でロシアが占める位置とロシア経済の将来の姿を知ることは、我々にとっても大変興味深いことです。また、ロシアは周知のように、「社会主義から資本主義への移行」という大転換を経験してきました。転換の出発点であった社会主義時代のロシアはどの様な状況におかれていたのでしょうか?社会主義時代のプラスとマイナスの遺産、この転換の初期条件、転換の課題や困難は何なのでしょうか?またロシアはどの様にこの転換を推進してきたのでしょうか?そしてその中で人々の生活はどの様に変わったのでしょうか?
 この講義は、これらの疑問に答えようとするものです。講義を通じて、ロシア経済の確かなイメージを獲得することが出来ると思います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 変化しつつあるロシア経済の制度と実態について、その輪郭を学び、ロシア経済が我が国にとって持つ意義を理解することを、目標とします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験で評価します。評価に際しては出席状況が重視されます。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは使用しません。毎回授業の概要と資料を配付し、必要に応じて参考文献を紹介します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 予習面では、新聞報道に注意して、ロシアに関する記事を読むようにする。復習面では、ロシア経済の講義の中で、経済学の基礎知識が繰り返し活用されるので、それを復習して学び取る事が必要。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ロシアは新聞記事に頻繁に登場するので、それに注意を払って、目を通してもらい、そうした記事を、授業で学ぶことと結びつけて考えると、記事も授業も面白くなると思います。質問を歓迎します。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 市場経済化と私有化
【第3回】
 ロシアにおける国有財産私有化の課題は何か?
【第4回】
 国有財産の私有化─ロシアはどんな方法をとったのか?
【第5回】
 私有化はどうのように進んだのか?
【第6回】
 私有化の結果はどうなったのか?(1)
【第7回】
 私有化の結果はどうなったのか?(2)
【第8回】
 ロシア経済は市場経済化の下でどの様に発展したのか?
【第9回】
 近年の経済発展の動向は?
【第10回】
 最近の経済発展のメカニズムは何か?(1)
【第11回】
 最近の経済発展のメカニズムは何か?(2)
【第12回】
 ロシアにおける市場経済化の総括(1)
【第13回】
 ロシアにおける市場経済化の総括(2)
【第14回】
 ロシア経済の将来展望
【第15回】
 まとめ