Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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日本の税法 II 古市 将人
選択  2単位
【観光経営】 11-1-1110-1939-12A

1. 授業の内容(Course Description)
 現在、政府・与党が消費税を含む税制抜本改革に言及し、日本の税制の行く末について様々な議論がなされている。私たちが日々利用する道路・公園・保育園・小中学校・介護施設は、国や地方自治体が建設し整備している。このような施設のみならず、政府は警察・教育・保健・福祉サービスを私たちに提供している。以上の政府活動を賄うための財源として,税金や社会保険料という形態で,私たちは自らの財産の一部を国と地方自治体に納めている。さらに、税は財源調達機能のみではなく、市場経済がもたらす格差を是正する所得の再分配という役目もはたしている。また、減税などを通した経済の安定化・景気調節機能という役割を税はもっている。このような税制の機能・動向を理解するために必要な基本的な制度・理論・歴史を、本講義では扱っていく。特に本講義では、日本の税制を租税の理論(租税論)の観点から理解することを一つの目標とする。実定税法の諸規定は租税論の成果を基礎としている場合が多く、日本の税法を理解するのに租税論の学習は必要不可欠である。もちろん「理論」と「現実」との間には大きな乖離があり、理論のみならず税制史の流れについても触れていく。
 秋学期では、近年重要視されてきている環境税から日本の地方税まで、幅広く日本の税制と税の理論を扱っていきたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国や地方自治体が供給する公共サービスは私たちの生活に大きな影響を与え続けている。その公共サービスの財源である租税の理論・制度・歴史について受講生に一定の知識をもってもらうことで、税制をめぐる議論を複眼的な視点で理解できるようになることが、本講義の目標である。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 基本的に定期試験の成績で評価する。定期試験の点数が基準値に達しなかった場合は、出席点による救済措置が適用される。詳細は最初の授業時に説明する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 特に指定はしない。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 取り上げるトピックは豊富なので,配布するプリント・資料を活用して積極的に予習・復習をおこなってほしい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業に出席して私語をせずに勉強する学生の履修を希望する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業のガイダンスと租税論の復習(1)
【第2回】
 租税論の復習(2)
【第3回】
 資産課税(1)
【第4回】
 資産課税(2)
【第5回】
 環境税(1)
【第6回】
 環境税(2)
【第7回】
 国際課税(1)
【第8回】
 国際課税(2)
【第9回】
 日本の地方税体系と租税原則
【第10回】
 住民税
【第11回】
 事業税
【第12回】
 固定資産税
【第13回】
 地方消費税
【第14回】
 税制改革の動向
【第15回】
 まとめと試験