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授業の内容(Course Description) |
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2008年にサブプライム・ローン問題を端緒に始まった米国発の金融危機は瞬く間に世界中に伝播しました。 危機の後遺症として、基軸通貨ドルは大きく下落し、欧州ではPIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の連鎖的な財政破綻が現実味を増し、アジアでは中国が日本を抜き世界第2位の経済大国となりました。 この間、日本と米国は超金融緩和策を続行していますが、ほとんど効果が上がっていないのが現状です。 これは経済のグローバル化、ボーダレス化の下では需要の無いところでいくら金融緩和を行っても需要は喚起されず、資金は成長性の高い新興国に流れるということが背景にあります。即ち、従来の一国経済モデルでは、現状を正確には把握できなくなっています。 重要な事は、海外で起きた危機がますます複雑化する世界経済のシステムを通じ、瞬く間に日本に伝播してくる。それが我々の日常生活にも大きな影響をもたらすと言うことです。 <日本と国際金融Ⅰ>では、国際金融のこういったダイナミズムを理解する為に必要な基礎を学ぶ事に重点を置き、 <日本と国際金融Ⅱ>では、より具体的に国際金融市場における実際の業務やカレントな問題に触れる事により、全体的な理解を深める事に重点を置きます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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国際金融を理解する為に必要な基礎理論の理解。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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(1) 期末のレポート提出、期中の小テスト(2~3回)の合計で70% (2) 授業出席 30%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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『国際金融の基本と仕組みがよくわかる本』宮崎哲也著 (株)秀和システム発行 * 参考資料については必要に応じ随時配布します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業の進行に合わせて、読むべき図書、記事等について随時連絡します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業で現実に起こっている経済事象を実例として取り上げるので、日本経済新聞の毎日の購読を奨めます。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業のガイダンス / 経済活動と金融業務 【第2回】 金融取引市場について - 長期・短期金融市場 【第3回】 金融取引市場について - 外為市場、商品市場、その他 【第4回】 金融・財政政策と主要プレーヤーの役割 - 中央銀行 【第5回】 金融・財政政策と主要プレーヤーの役割 - 政府 (財務省、金融庁) 【第6回】 金融・財政政策と主要プレーヤーの役割 - 銀行、その他金融機関 【第7回】 金融の基礎 - 金利のしくみ 【第8回】 金融の基礎 - 外国為替のしくみ 【第9回】 金融の基礎 - 株のしくみ 【第10回】 金融の基礎 - 債券のしくみ 【第11回】 国際通貨制度について 【第12回】 国際収支の基本構造について 【第13回】 主要国際金融市場について - ユーロ市場 / ニューヨーク市場 【第14回】 主要国際金融市場について - 東京市場 / その他、アジア市場 【第15回】 日経新聞の読み方 / 前期のまとめ
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