Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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比較文化 VIII - II (ヨーロッパ文化と社会2) 諏訪 裕
選択  2単位
【人間文化】 11-1-1410-0308-22A

1. 授業の内容(Course Description)
 世界に「物語」は無数に存在します。また、それは地域と時代によって多種多様と言えましょう。しかし、一方でそれらのすべての物語に共通する普遍的な要素もまた存在しています。このような物語の普遍的な要素を考察の対象とする学問として「一般文学理論」があります。この講義では、この種の文学理論の一つであるジェラール・ジュネットの「ナラトロジー」の紹介と、概説を行います。この理論は、主に「小説」の形式を扱います。普段我々が何気なく読んでいる小説がどのような手法を駆使しているか、またそれがどのような構造をしているか、をこの理論はその精緻な分析によって明らかにしてくれるでしょう。文学に興味を持つすべての学生諸君の聴講を待っています。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 今日の物語テクストの代表的形式である、小説の新たなる見方、読み方を体験して欲しい。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況40%、レポート60%で総合的に判断します。また、小テストを2回実施するので必ず受けること。それがレポートを提出するための必要条件となります。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:諏訪裕『ナラトロジーの理論と実践』、近代文芸社、2007
 参考書:ジェラール・ジュネット、『物語のディスクール』、花輪 光・和泉 涼一 訳、書肆風の薔薇、1985
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 授業で取り上げた小説は自分でも実際に読んでみてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 前期の授業と連続しているので、前・後期続けて受講することが望ましい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 序論
【第2回】
 前期の講義内容の復習
【第3回】
 物語の叙法(1) 距離
【第4回】
 物語の叙法(2) 物語化された言説
【第5回】
 物語の叙法(3) 間接話法、直接話法
【第6回】
 作品分析
【第7回】
 物語の叙法(4) 視点の問題
【第8回】
 物語の叙法(5) 非焦点化
【第9回】
 物語の叙法(6) 内的焦点化、外的焦点化
【第10回】
 作品分析
【第11回】
 語りの時間
【第12回】
 語りの水準(1)
【第13回】
 語りの水準(2)
【第14回】
 人称
【第15回】
 まとめ