Web Syllabus(講義概要)

平成23年度

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セミナー I 臼井 隆一郎
必修  2単位
【外国語】 11-1-1410-2414-13A

1. 授業の内容(Course Description)
 ドイツ語、ドイツ文化に関して学生が個々の関心を深化させるのが目的のプレ・セミナー。言語と文化にドイツという枠組みを与えたとしても、対象領域がそれほど限定される訳ではない。文化や言語は今日、地域的な制約を受けないほとんど無限の超域性を具えていると考えるので、そのような情報環境の中で、何かに関心を持ち、深めていくという作業の出発点は個々人の関心だと考えている。しかし、個々人の関心を論じ合うことは非常に難しいことなので、むしろ一人切りでコツコツ孤独にやっていきたいという傾向が生まれるのも不思議ではないのだが、それでは授業にならない。
 授業は、具体的に言えば、卒論や卒業制作の題材を決めるためだと思って貰いたい。最終ゴールが卒論や卒業制作とすれば、「個々の関心」と言っても、他者から見るとそれが大学卒業にふさわしい研究題材とは思えないということもある。個々の学生の関心や趣味が教師の関心や趣味に合わないこともおおいにありうると思う。しかし問題は、個々の人間が妥協線を見つけることではない。相手が内心、異議を持っていることが判然としている場合でも、自分の関心を防衛する言語コミュニケーション能力が必要だと思える。したがって、最低限、自分の関心を他者に向かって言語表現できることが要求されると考える。個々人のこだわりが最終的には支援されるべきと考えるので、参加者にぜひ要求したいのは、自分の関心を他人に明示できることである。
 初めから確定的なことを言えないのが当然である。なにをやろうとしている、あるいはやろうとしたがうまくいかないという次元の現状を言葉にして貰うと思う。実は、この段階で口をきくのが一番つらい時期なのだと思うが、それが可能になるためには学生が自由に意見を言える雰囲気も必要と考える。
 学生の関心は多種多様であるというのが授業の大前提である。そして、個々人の関心は、他人には興味のないものであるのが常である。しかし授業は授業である。相手の言うことに耳を傾けるフリができることも訓練されるべき能力である。「個々の関心」の強化は、協調性の否定ではない。
 個々の学生の自発的に持つ関心に役立つ資料や書籍などの情報の情報は、教師の知る限る与えるのが義務だと考えているが、取捨選択は個々の学生の自由である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 自分のやっていることを自分で楽しく思えること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ふだんの授業態度。毎時間、前もって人を決めて(4人ほど)おいて、口頭発表をして貰うので、その内容と進捗度合を見る。他の人の発表に対する反応の仕方を重視する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストはない。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 次週の授業内容は前の週には分かっているようにするので、それぞれのテーマについて、各人がそれぞれ、自分なりの意見を表明できるように、考えておいて貰いたい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 発表する順番にあたっている学生は、自分のプレゼンテーションが他人に届くように最低限の資料を用意して貰いたい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業のやり方の説明、それぞれの参加者の簡単な自己紹介、あるいは他己紹介。
 発表順番のおおよその取り決め。
【第2回】
 以降。授業参加者はおよそ30人位なので、1回に4人位を予定している。
 全員が一巡りしたら、二回目となるが、前回の発表と質疑応答を踏まえて、関心のあり方に変化や深化が出てくるのが理想的である。パフォーマンスや聞き方の進歩なども授業の目標であることを念頭において参加してほしい。