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授業の内容(Course Description) |
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この授業は、経済学をはじめて本格的に学ぶ学生を対象として、経済学の基礎的な概念と用語についての知識と理解を身につけることを目的とする。 経済学概論 I(春期)はそのなかでも基礎編とし、前半では国民経済というものについて総括的、概観的に観察する。人間が作り出し、蓄積してきた豊かさとはなんだろうか;その実体は人間が作り出してきた「価値」であるとするならば、それではその「価値」の実体とはなにか;「価値」はどのようにして生み出されるのか、ということを考えるところからはじめる。すなわち、社会をなして存在する人間にとって経済活動とはなにか;人間はなんのために経済活動を行うのか;経済活動の目的とはそもそも何か;人間の豊かさとは何か、等々のことについて、これから経済学を学ぶ学生諸君は考えてほしい。またこのような視座を持ち続けてほしい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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社会をなして存在する人間の諸活動のなかで経済とはいかなる意義をもつのか、人間の労働とは何であり、人間は何のために労働するのか、人間とそれが構成する社会にとって富とか豊さとは何か、というような本源的な問題について考えていくための基礎を学ぶこと。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験の成績と出席状況を総合して評価する。この科目は必修ではないが内容的には経済学をはじめて学ぶ学生にとって必要な基礎であるので、成績の評価にあたっては原則として授業に欠席しないことを前提とする。その前提のもとに基本的には試験の成績で単位を認定する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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とくに定めない。参考とすべき文献については必要の都度授業で指示する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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経済に関することがらに日常的に関心をもつ習慣をつけること。このため、新聞の経済面ないし経済関係記事を(わからなくても)読む努力をし、これを継続すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席してノートをしっかりとること。ノートは、黒板の坂書を書き写すだけでは不充分と心得ること。ノートの採り方を学ぶことも授業の目的であると心得ること。 毎日の新聞などで経済の動きをフォローしておくことを含み、つねに経済の動きに関心をもつよう心がけること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス 【第2回】 経済学部でなにを学ぶか 【第3回】 人間は動物とどう違うか:人間の労働 【第4回】 人間は何のために労働するのか 【第5回】 人間の労働は何を作り出すか:使用価値と「価値」 【第6回】 「価値」とはなにか、「価値」はどのような形態をとるか 【第7回】 労働生産物の交換と「価値」 【第8回】 商品とその取引 【第9回】 おかねとはなにか(その序論) 【第10回】 「価値」はなぜ増えるのか 【第11回】 「価値」はどのように蓄積されるか 【第12回】 生産と再生産 【第13回】 生産力の展開 【第14回】 前半のまとめ 【第15回】 まとめと試験(ただし試験の実施方法は開講後に決定)
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