Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本経済史 II(火1)
(日本経済史)
石川 治夫
選択必修  2単位
【経済】 12-1-1110-0041-09

1. 授業の内容(Course Description)
 月曜日と火曜日、それぞれ別内容の講義を行います。履修登録は月曜日・火曜日のどちらか片方しかできませんので、よく注意して興味のある講義を受講してください。
 火曜日1限で扱う対象は第2次世界大戦以後の「戦後日本資本主義」です。このうち秋学期では高度経済成長第2期以降についての授業を行います。この時期の日本経済は、敗戦直後の荒廃から「高度経済成長」に向かうめざましい発展局面とオイル・ショック、ドル・ショックによる高度成長の終焉、その後の「安定成長」と「バブル経済」から「平成不況」への急転といったさまざまな変転を経験しました。この講義ではその中でも「高度経済成長」にポイントを置いて戦後日本経済を考えてみたいと思います。その理由は2つあります。ひとつは「高度経済成長」は戦後の日本経済を考える上で、たいへん重要な時期で、おそらく君たちがもっとも興味を抱く時期であること。もうひとつは高度成長期に形成された日本経済の基本構造の問題点が現在の深刻な不況の根底にあると考えるからです。「歴史」は人間が「現在」を考える時に有力なカギを与えてくれます。そんなことを念頭において高度経済成長の「光」と「影」を明らかにしたいと考えています。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 高度経済成長の意義と限界を理解し、それが現代日本経済にどのように引き継がれているかを考えることができるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験の成績による。
 成績評価に反映する、出席調査、小テスト等は一切行なわない。ただし「授業を聴きに来てくれた人にいい成績をつける」のが成績に関する私の基本姿勢なので、出題方法は出席回数に応じて得点できるように工夫してある。
 私もプロの教員なので、わざわざ出席調査をしなくても試験の答案を見ればその受講者が授業を聴いてくれたか否かを判別できるという自負を持っている。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 プリントを配布する。
 参考書:森 武麿 他 『現代日本経済史・新版』(有斐閣)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 諸君の身近には必ず「高度経済成長」の時代を生きて、それを実体験とする人がいると思う。日常生活の中で、そうした人の話を聞き、この時代の人たちのものの考え方や、それぞれの人の高度成長期の体験談や、この時代に対する評価などを知っておくことをお勧めする。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 適当なテキストが見つからないので毎回配布するプリントを中心にして授業を進めてゆきます。配布プリントはサブノート形式になっているので、授業を聴きながら空白部分=重要事項を埋めて行けば自然にわかりやすいノートが完成します。ただし、プリントには「項目」と「データ」しか印刷されていないので、授業を聴かずにプリントだけを持って帰っても無意味です。明治維新以降の日本経済に興味のある人は月曜日の授業を履修してください。君たちにとって「高度成長」は生まれる前のことですが、1950年代生まれの私にとっては、それは自分の成長過程そのものでした。そんな自分の経験を交えながら君たちとの年代のギャップを楽しみたいと思います。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 春学期からの継続履修者を主要な対象としているので、継続履修者の便宜のため、項目は春学期からの通し番号になっています。
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 2  高度経済成長
 (3) 高度経済成長第2期―1
【第3回】
     高度経済成長第2期―2
【第4回】
     高度経済成長第2期―3
【第5回】
 (4) 高度経済成長第3期―1
【第6回】
     高度経済成長第3期―2
【第7回】
 (5) 高度経済成長の総括
【第8回】
 (6) 高度経済成長の条件―1
【第9回】
     高度経済成長の条件―2
【第10回】
 (7) 高度経済成長の矛盾と帰結―1
【第11回】
     高度経済成長の矛盾と帰結―2
【第12回】
 3  高度経済成長以後の日本経済
 (1) 低成長への移行と対応―1
【第13回】
     低成長への移行と対応―2
【第14回】
 (2) 1980年代の日本経済
【第15回】
 まとめと試験